社長通信 社長・瀬川文宏が気になること、考えさせられたことを綴ります。

2022年

大きく成果が出ている状況で、これまでのやり方を変えていくことは困難を極めます。トップは現状維持では、新たなイノベーションが創出できないことを理解していても、失敗がなければいつの間にか存続そのものが目的化してしまいます。カーリング日本代表の一例から組織が長期的に成長していくヒントを考察します。

バドミントン競技のダブルスはペアの相性の良さで強さが大きく変わり、メンバーがお互いを信じて役割を任せフォローし合うことで何倍もの成果を得られることがあるそうです。しかし人と人には相性があるように、どうも気が進まず、うまくことが運ばない相手となってしまう場合もあります。これは社員と職場も同様です。お互いが最適なパートナーとなるためには、定期的な人事異動やマネジメントの変更も経営として必要と考えます。

バドミントンは競技レベルが高くなるにしたがい適応するためにシングル、ダブルスと分業化・専門化されました。同じラケットスポーツでも卓球はその垣根なくマルチスキルで勝ち抜く選手もいます。ビジネスの世界をみると、企業は高度なスペシャリスト人材を求めながらも、一方で限られた人員で生産性を向上するために、積極的に多能工化を推進しています。今後も社会環境や事業変革などの要因により求められる人材像は変わってくるでしょう。

強いチームを作るアプローチの一つとして、年齢・地位・能力などが同等のメンバー間の競争により成長を促す「ピア効果」があります。先日閉幕した今夏の甲子園大会では、他県から“野球留学”でやってきた選手と地元選手が力を合わせて勝利をつかみ取るケースが多々あり、個人の目標や希望に合った高校を選択するようになってきていると感じます。自分の目標や夢に近づくために、より良い環境を求める権利は誰にでもあります。IT業界でも個人が成長するための「環境」が重要です。

国枝選手は誰もが知っている世界的テニスプレイヤーです。年間数百万にも及んだ遠征費の負担を理由に引退も考えたそうですが、進学先の大学職員として働きサポートを得ながらテニスを続けることができました。環境が整ったからこそ世界の頂点に立つことができたように、企業もESGやSDGsが問われる現在において、ダイバーシティやインクルージョンに焦点を当てた、さまざまな取り組みを進める必要があるのではないでしょうか。

岸田政権が『デジタル田園都市国家』を目指すと宣言。現在の日本は政治・経済など「ヒト・モノ・カネ」の大部分が東京に一極集中しています。地方と都市の差を縮めサスティナブルな地域社会を形成するには、その地域に人を惹きつける文化や雇用が欠かせません。プロスポーツチームにはその一役を担う力があるのではないでしょうか。当社もホームタウンである神戸にどのような貢献ができるのか考えていきます。

高校球児の夢である甲子園。選手達は夢が近づくほど、たとえ目の前の試合で怪我をしても悔いなくプレーしたい気持ちが生まれ、その結果エースと呼ばれる人に大きな負荷がかかることもあります。企業も同様で、優秀なメンバーに仕事が集中する傾向があります。監督、上司も等しく、少し無理をしなければ届かない目標(ストレッチ)を課すことで、モチベーションや能力が向上する一方で体調を崩すなど行き過ぎたケ
ースも存在することを認識しなければなりません。

W杯では世界屈指のサッカー強豪国イタリアが予選敗退してしまいました。要因の一つに、今が最善だとの思い込みがあったと言えます。ビジネスにおいても同じで好調な業績だったとしても、自社の弱点や将来の課題など危機意識を醸成する必要があります。過去の成功体験による思考の硬直化を回避し、時代の変化に適応できる企業について考察します。

冬季オリンピックでの平野歩夢選手や原大智選手の活躍は記憶に新しいですが、彼らの好成績の秘密は、本業の種目だけでなく複数の分野に挑戦することで、自らのポテンシャルを最大限に発揮できたことではないでしょうか。ビジネスの場においても、全く違う分野への挑戦は多くのメリットが得られると考えます。しかし労使ともに、なかなか踏み切れない理由やリスクが存在することも事実です。今回は「複業」について考察します。

一定の品質で大量生産を行う工業化社会において、均質な人材が日本の国際競争力を生み出してきました。しかし定型業務などの多くは、AIが代替していく日は近いでしょう。DXが進み専門分野を深く探求している人の存在価値がクローズアップされるなか、企業には「出る杭」を伸ばし、成果につなげるまで育成する「場」が必要です。

IT業界では「ITエンジニアの不足」が急務の課題となり、どの企業も発掘と採用に知恵を絞っています。この課題の解決には、一見遠い存在のようですが野球界の育成選手制度にヒントがあります。日本の国際競争力を向上させるためにはITエンジニアの裾野を広げることが必要です。活用すべき制度とは何かを考えます。

昨今、「デザイン思考」「アート思考」といった考えがビジネスの世界で脚光を浴びています。求められる潜在的な課題解決と新たな市場への問題提起を行うために、先進技術の習得や、これまで得た知見など客観性を持った付加価値を高めることはもちろん、企業としての理念や目的、価値観など「アート」の部分についても考えてみます。

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