社長通信 社長・瀬川文宏が気になること、考えさせられたことを綴ります。

2021年

箱根駅伝では、どのチームも等しく4年で全ての選手が入れ替わります。強豪校と呼ばれるチームは継続して上位にいる為にどのような対策を講じているのでしょうか。限られた人材で集団の能力を最大限引き出すためには、強みを生かし、弱点の最小化をする適材適所が求められます。役割を一番上手くこなす人をアサインすることが基本というところでビジネスにも通じるものがあります。

企業の成長の必須条件として、国籍や年齢、性別を問わず様々なバックグラウンドを持つ優秀な人材を獲得し、多様な働き方に柔軟に対応することが求められています。例えば角界では以前から多くの海外の人材を迎え入れてきましたが、横綱まで上り詰めた者たちでも指導者として大成するには難しく、その根底には外国人から見た曖昧さが招く様々な誤解や行き違いがあるようです。

日本の茶道や武道などの修業における過程を示したものに「守破離」という言葉があり、ゴルフ界の帝王ジャック・ニクラウス氏も「基本を繰り返し練習していると、新しい世界がみえてくる」と話しています。企業としての能力も同じでイノベーションが生まれる過程には遠回りのようでも、一つひとつレベルアップしながら改善を重ねていくことにあるようです。

オリンピック選手のコメントで「楽しむ」というワードが多く聞かれました。「楽しい」はアスリートがその競技を始めたきっかけであったはずです。「もっとやりたい、もっとうまくなりたい」は自身の成長の原動力でしょう。アスリートに限らず、私たちにおいても人生で大きなウエイトを占める仕事の時間を少しでも楽しめたなら様々な面で好影響を与えるはずです。

DX推進には専門的で高度な知識や技術を有する人材だけでなく、その能力をチームとして融合させ、最大限に発揮させるマネジメント人材の育成と確保が鍵となります。野球界に身を置く二人の生き様をもとに、イノベーションを目指す会社組織に必要なプロフェッショナル人材について考えます。

憧れの人というのは「このようになりたい」と思うがこそ、憧れの人であって、それは具体的な目標となります。東京五輪は子供たちが「あの人のようになりたい」との出会いが叶う、またとない機会でしょう。組織でも同じです。リーダーは将来を担う若手社員のために、ロールモデルを見つけられる手助けをすることが大きな責務となります。

スポーツの世界では「勝ちたい」「フェアプレーの精神」この二律背反の行動を正しく選択し行動できるチームが王者となります。ビジネスの世界でもレッド・オーシャンと呼ばれる企業の生き残り競争をかけた激しい攻防がありますが、行き過ぎた行為を戒めるために企業倫理が存在します。真に強い組織とは社員一人ひとりが理念を貫き、そしてそれを日々の具体的な行動に移していけるかに答えがあるのではないでしょうか。

ITサービス業界における人材育成やキャリア開発は、従来の仕組みでは課題が出てきました。変革に対応すべくお客様と一体となって価値創造を目指すパートナーとしての真価を問われるようになってきたためです。大学までラグビーを続け、色々なスポーツをすること、見ることが好きな私にとって、スポーツの世界には今後の人の育て方に対して学ぶべき点やヒントが数多くあると感じています。

この度、田野前社長の後を受けて代表取締役社長に就任しました。当社を支えてくださるステークホルダーの皆様の期待に応え、ともに歩んでまいります。もとより若輩の身ではございますが、社業発展のため全力を尽くす所存でございます。何卒ご指導ご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

さる2月8日に私の社長退任と後任として瀬川専務の社長昇任の人事をプレスリリースしました。4年の任期でしたが、光陰矢の如し、私にとってはあっという間でした。「まだやれるのでは」、「もう一期」という声も幾つか戴きましたがそう言っていただくうちに退くのが華、引き際を見極めさっさと退く事が大切と考えています。とはいえ人生100年、まだまだ夢の途中です。

企業の価値には企業文化が含まれると思いますが、昨年末に経産省が発表した「DXレポート2」に「レガシー企業文化からの脱却」という興味深いキーワードがあります。つまり企業として永続的に生き残るために、企業文化には守るべきもの、変化させるべきものがあるということでしょう。そこで自社の価値とは一体何を指すのか、当社の守るべき価値について考えてみたいと思います。

令和3年は東京オリンピックを起爆剤として経済のリバウンドが期待されますが、一方で世界的な格差社会の進展が懸念されます。思想家・経済学者ジャック・アタリ氏はその著書で、これを利己主義が蔓延する「憤まんの社会構造」と指摘し2030年を悲観的に予測しています。そしてそれを回避し好転させる希望が「利他主義」だとも。ESGやパーパス経営はこの考えに通じるものがあり、これからの企業は人類の幸福に貢献する「利他主義」経営が求められるのではないでしょうか。

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