社長通信 社長・瀬川文宏が気になること、考えさせられたことを綴ります。

2021年03月01日

引き際を見極める
~まだ夢の途中、これまでありがとうございました。~

bloom

いよいよ日本でもワクチン接種が始まりました。医療従事者の方々が積極的に接種を受け、効果や副反応情報を提供している事は素晴らしい事ですね。4月からの高齢者接種開始にあたり安心感を与えますし、今から大量接種にあたっての課題を想定しているので日本国民の民度の高さからすれは大きな混乱なく展開できるでしょう。これを機に医療崩壊を免れて終息への道筋が見えるのではないかと大いに期待しています。一方で東京五輪組織委員会の混乱ですが、橋本聖子新会長は開催の可否をここ1ヶ月で判断する重要な局面での交代なので大変な重圧だと思います。IOCや政府、東京都は開催をコミットメントしていますが、ネットでの世論では緊急事態宣言を受けてか中止、延期といった消極派がわずかながら過半数を超えているようです。緊急事態宣言を3月7日で解除させ政府は何としても開催したいようですが、日本だけではなく世界各国の反応も考慮しなければならず判断が本当に難しいと思います。見切り千両という格言もあります。私個人としては無観客でも開催してもらいたいですが果たしてどうなるでしょうか。

さて、そういった世間の騒がしさの中ですが、さる2月8日に私の社長退任と後任として瀬川専務の社長昇任の人事をプレスリリースしました。(*1)3月26日の株主総会をもって私は顧問役に退きます。4年の任期でしたが、光陰矢の如し、私にとってはあっという間でした。特にここ1年はコロナ禍で出社もままならない日が続いたので尚更でした。社内外への退任報道の後、「まだやれるのでは」とか「もう一期」という声も幾つか戴きましたし、まだ気力体力も残っているのですが、そう言われるうちに退くのが華、引き際を見極めさっさと退く事が大切と考えています。老子の教えに「功遂げて身退くは、天の道なり」という有名な格言がありますが、「仕事をやり遂げたらさっさと引退する、それが天の道である」との教えは現代にも通じます。経済界や政治の世界でも「この人、引き際を間違えたなあ」とか「晩節を汚したなあ」と思われる人は結構います。一方で80歳を超えて今も活躍するカリスマ経営者もいますので(本コラム2020年11月参照ください。*2)、引き際を見極めるのは功があればあるほどに難しいのだろうと思います。私について言えば大して功を遂げたわけではありませんが、社員全員で「Be a Trusted Partner」という長期経営ビジョンを合言葉にお客様と共に成長し、社員が誇れる会社になる足固めはこの4年で何とか出来たと思っています。逆に言えば「お客様との信頼関係を築く」、これしかやってなかったのかもしれません。とはいえそれを仮に功と言うのなら、足固めを遂げて次の中期計画がスタートする機会にさっさと退くのは、まさに天の導きでしょうか。令和のDX時代が本格化する中で経営陣の若返りを図り、新たな視点を持つ活性化したチームにタスキを無事に(晩節を汚さず)繋げたことを嬉しく思い、今は安堵しています。

このコラムも私の執筆は今回が最後になりますが、これまで拙文をお読みいただいた皆様には感謝申し上げます。ビジネス事案や関連の会合などでお会いさせていただいた際にコラムについてのご感想をいただいたりする事が励みとなり、毎月の執筆を続ける事が出来ました。よくネタ切れしないね(*3)、とも言われましたが何とかネタ帳が枯渇せずに最後まで来たことにはある種の達成感があります。4月以降も瀬川がコラムを継続して執筆いたします。引き続き当社のメルマガをどうぞよろしくお願いいたします。当社で本コラムを愛読してくれている社員にも感謝します。「Be a Trusted Partner」は道半ばですがビジョンに向かって邁進してくれることを期待しています。その意味で上杉鷹山の名言「働き一両・考え五両・知恵借り十両」を贈ります。ただ単に指示待ちで働くのであれば、一両の価値しかない。自ら考え自ら動くように考えて働けば、五両の価値がある。人から知恵を借りて自ら考え自ら動くようになると、十両の価値がある、という意味です。これをTrusted Partnerへの道のりに当てはめると単なるベンダーは一両、考え五両でやっとTrusted Supplierです。自分の考えだけでなくお客様やパートナーからの知恵を借り自発的に動く事が出来、逆にお客様に当社の社員が知恵を貸すことが出来れば十両の価値、真のTrusted Partnerとお客様は認めていただけるでしょう。DX化に向けてお客様と知恵を貸し借りできる、そんな社員がたくさんいる会社になれるといいですね。

私自身はこの3月に64歳になります。人生100年で測ればまだまだ若く余力もありますので、来生たかお氏の歌ではないですが私のキャリアは、まだ~ほんの夢の途中~と考えています。65歳は人生の3Qの道半ば、これからも夢を追い続けたいと思っていますので、今後も皆様とご縁があればどうぞよろしくお願いします。

最後になりますが、これまでの皆様のご支援に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。これからもコベルコシステムをどうぞよろしくお願いいたします。

*1:コベルコシステム役員人事
https://www.kobelcosys.co.jp/news/detail/20210208/

*2:社長通信2020年11月 人生100年時代に必要なもの
https://www.kobelcosys.co.jp/column/president/20201101/

*3:社長通信2018年9月 話題の引き出しを埋める ネタ切れを避けるために…
https://www.kobelcosys.co.jp/column/president/20180901/

2021年3月

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