ものづくりコラム 設計、生産管理、原価管理などものづくりに関するトピックを毎月お届けします。

2021年

DXなる言葉は頻繁に使われ省庁や大手コンサルティング会社の定義においても曖昧であり、もはやバズワードです。そのため人によって解釈が大きく違う場合があることが、IT化との違いを分かり難くしている一因になっています。今回は、その違いを明確にし製造業各社におけるDX推進の加速に必要なこととは何かを考察します。

米国で提唱され日本でも大ブームとなったSIS(戦略的情報システム)の取組みが現在のDXブームと酷似しています。30年も前になりますがアメリカン航空などのSIS成功事例を見るとIT化による競争優位を獲得した企業には、ビジネス戦略とそれに整合したIT戦略がありました。過去の事例と比較し、DX推進の共通点を考察してみます。

日本の製造業におけるDXのイニシアティブ(構想、戦略)はAI、IoTといった第3のプラットフォームを技術基盤とし、実行段階となりつつあります。デジタル化はその狙いや対象範囲等により異なり、例えば実施レベルでは「守り:単純自動化→高度化→想像・革新:攻め」に分類でき、単純自動化という分かり易い取り組みでも成果がでているのは約2割となっています。各社は自社が取組むべきテーマを的確に選定し、効果を獲得していくべき時期にあります。

ビジネスの世界の一部ではFAXがメインの通信手段の一つとして使われ続けています。担当者の不在時に誰でも受け取れるなどメールや電話を補完する役割として重宝されていますが、その受注業務全般は、人手作業が必要となる点において非効率と言えます。

多くの企業がビッグデータ活用に取り組んではいるものの期待通りの成果を挙げるのは中々難しいようです。データをただ集めるだけでは役立たずのゴミの山と同じであり、データ分析を担う人材が単なるExcel好きで終わらないようにするために大切なことは?3つの要因を挙げて考察します。

データサイエンスという用語が注目されるようになったのはこの10年くらいです。刻々と変化するビジネスの現場においてデータはビックデータとなり、IT部門がただ単に処理すればよいものではなくなりました。成果創出に変換していかなければなりません。それを担う人材に必要なスキルとは何かに焦点を当てて解説します。

製造業のデータ分析は、ものづくりのQCD向上に繋がるプロセス改善のための活用はありましたが、最近では「新サービス創出」「新製品企画」を目的としたビッグデータの使用機会が増えてきています。ビジネスに直接的なプラスの効果を享受できるだけでなく製造現場に蓄積される優れたものづくりノウハウを継承するためにも、更に積極的に活用するべき時期にきています。

2021年05月01日

コロナと半導体

コロナと半導体、新聞やニュースなどで世間を騒がすテーマです。一見、何の関連性もないように思いますが、実はいくつかの共通点があり、どちらもが日本の製造業にとって「国家の命運を握る」と言われるほど重大な影響力を持っています。今回はその要因と結果を検証し、今後の対策を考えてみます。

2021年04月01日

待ったなしの脱炭素

日本では中期目標として、2030年度の温室効果ガスの排出を2013年度の水準から26%削減することが定められました。産業革命以降、延々と基盤にしてきた炭素社会を、この何年かで脱炭素化社会へ変貌させなければならず、生き残るために背水の陣で取り組まざるを得ない状況と言えます。各企業にとってビジネスチャンスでもありリスクでもあるその課題と理由を考察します。

世界共通の最優先課題である地球温暖化への対応を前回のコラムで述べました。脱炭素の切り札として注目されている水素は、かつて日本は技術先行していました。しかし欧州各国と中国に主導権が渡り、周回遅れとなっています。この現状を踏まえ、製造業が取り組むべき水素利用を前提とした脱炭素イノベーションを考察します。

日本はどれくらいCO2を排出しているのでしょう?2020年の年間CO2排出量は約10億トンあり、中国、米国、インドそしてロシアについで5番目の多さです。そのうち、製造業は全体の約35%のCO2を排出しています。日本の脱炭素社会に向けた取り組みには製造業の目標達成責任が欠かせません。今回はその役割と責任について考察します。

2021年01月01日

SDGsで三方よし

企業にとってのSDGsはCSRの一環ではなく、社会課題に事業活動として取組むことで企業自身が持続的に成長し価値創造することです。つまり、「事業で儲けるためにも、SDGsに本気で取り組もう」ということです。課題解決によりリスクを低減させる一方で、大きな収益や優秀な人材の獲得、将来的な企業価値向上にも繋がります。

ITの可能性が満載のメルマガを、お客様への想いと共にお届けします!

Kobelco Systems Letter を購読
連載・コラムトップ