社長通信 社長・瀬川文宏が気になること、考えさせられたことを綴ります。

2005年10月03日

コベルコシステムのソリューション・ビジネス戦略

さる9月22日 日経ソリューション・ビジネス社主催のセミナー「新時代を迎えるシステム子会社のマネジメント戦略」で、表題の講演とパネルディスカッションを行いました。創立以来18年にわたるコベルコシステムの沿革と自立化へ向けた努力を語ってきました。

自立化の指標としては親会社関連以外の外部売上比率が60%以上、収益力の代替指標として従業員一人当たり売上高3000万円以上(営業利益率4%相当)を「独り立ち」システム子会社と見ていますが、当社は外部売上比率は5年前から60%を超えており、2004年度は71%で、すでに基準をオーバーしています。しかしながら一人当たり売上高では3000万円を少し下廻る状況がここ数年続いており、謂わば独り立ち予備軍の状態が続いています。

「自立化」した企業とは単に親会社に依存しない力をつけているというだけでなく、経営力、技術力、営業力、管理力において優れた実力を有し、確固たる存在基盤と存在価値を有する高い競争力をもった企業であり、結局は経営品質力(JQA)に優れた、今私達が追求している企業のことをさしています。

さて、コベルコシステムの独自性を一言で云うと、「ユーザー系IT会社としての能力にメーカー系IT会社のパワーが加味された他社にない強みをもつ会社」と云えます。まだ発展途上の所は多々ありますが、神戸製綱所様の大規模で複雑高度な情報システムを長年に亘り構築し運営して来た能力に、IBMの先進のIT技術やサービスエンジニアリング技術を加えて行くことに成功すれば、間違いなく「自立化」したエクセレント・カンパニーになると断言できます。

神戸製鋼所様の加古川、灘浜の二大データ・センターをベースとして、長年にわたり培ったIT関連コアコンピタンスを一般企業に展開し、一般企業で新たに獲得したり、高めたスキルを神戸製鋼所様のIT高度化にフィードバックする。そしてそこにIBM流の技術を加味していくというバリューチェーン・スパイラル・モデルを徹底して追及して行くことが、コベルコシステム・ウェイであると考えています。この好循環を推進していくことによりお客様満足度は向上し企業価値も高まると確信しています。

パネルディスカッションの中で“このままでは日本のIT企業はインドや中国のIT企業に負けてしまうのでは”という深刻な問いかけがありました。確かにシステム開発の低コスト化の流れの中で、インドや中国の企業は大きな脅威となっていますし、うまく分業し活用していく事を真剣に考える必要があります。しかしながらお客様に深く基軸を置き、お客様の声(VOC)をベースとして徹底して能力を高めていくならば、決して恐れる事はありません。彼らと共存共栄しながら私達も持てる強みをベースに、国内に止まらず積極的に外に打って出るべき時に来ていると思います。

お客様の成功に貢献するというCS経営の理念に加え、企業は社員のものであるという原則を堅持する「全社員経営」がもう1つの経営の柱です。

新中期経営計画の策定では社員の若手による経営ビジョン策定と戦略作成が行われました。これは正にこの全社員経営の1つの現れと考えています。私達が共に汗を流し共に喜び、成功を分かち合い、時には涙し共に成長していく場としてのコベルコシステムは明らかに社員のものですし、又経営は社員の意思の現れであると考えています。

全社員が輝くことで、お客様を中心に置いた経営を一層推進して行きたいと考えています。

2005年10月

代表取締役社長(当時) 酒井哲夫

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