社長通信 社長・瀬川文宏が気になること、考えさせられたことを綴ります。

2005年07月04日

技術のコベルコシステム

先日、神戸製鋼グループの2005年度テクノフォーラム(技術成果報告会)が、西神にある神鋼神戸総合技術研究所で開催され、参加しました。テクノフォーラムポスター今年は「神戸製鋼グループの特長ある技術の結集とさらなる展開へ」をテーマに、「グループ連携」「生産技術」「新規メニュー創出」をキーワードにして開催され、当社の解析グループもポスター発表形式で「R&Dの研究ネットワーク」という開発テーマを発表しました。

冒頭、佐藤副社長技術開発本部長より、知の競争時代に於て大切なのは、「コア製品の競争力」と「特長ある新製品創出力」であり、神鋼グループでの連携を強化し、情報、技術、設備、人材、知的財産等の相互活用と共有化を一層推進し、世界No1, 2のシェアを持つ特長ある製品の創出と拡販により、その比率を全体売上の40%超に早期に持っていくとの力強い講話がありました。更に「技開における生産技術の開発 −グループ力強化に向けて−」をテーマに井上生産システム研究所長より、また「グローバルニッチ・トップ戦略に基づくR&D」と題して竹本日東電工社長より、大変興味深い、又参考になる特別講演がありました。

生産システム研究所と当社とは、既に協業検討会を開始しており、生産計画分野、無線ネットワーク分野、e-ラーニング分野、医療情報分野にて、具体的な協業の取り組みを始めています。

品質工学の適用、トヨタ生産方式(TPS)や制約理論(TOC)を用いた生産メソッドKOBE方式の確立、IT活用による生産技術の共有化、技術継承問題等、当社にとっても大変興味深く、共同研究の一翼を担いたいテーマの講演でした。

又グローバルニッチ・トップを標榜する超優良企業の日東電工が、絶縁テープのビジネスからスタートして、13のベンチャー事業の集合体としての売上高5800億円、利益720億円のエレクトロニクス部品メーカーに急成長した成功要因を、竹田社長自ら熱っぽく語られました。

ニッチ・トップを目指す仕組みが完全に企業の中に組み込まれ、スピード経営、Flexible Technology Company として全力で正の回転をして発展していく様子がよく理解できました。

さて、当社の技術戦略は技術スキル委員会を軸にして、プロジェクト支援部技術サポートグループを核にして展開されています。

ITの技術領域は大変多岐に亘り、又生産技術面やソフトウェア・エンジニアリングの面からも、検討、研究の必要があり、明確な技術戦略に基づくメリハリのある技術ノウハウの獲得と推進が重要です。ソフト開発成果のテンプレート化やKICにより技術情報の共有化が進展しつつありますが、全社事業戦略に基づく技術戦略構想のもと、今後特にクロス領域での先進技術の研究と展開を更に力を入れて進めていきたいと考えています。そしてお客様から技術のコベルコシステムと云われるよう、先進技術に強いSE、営業のプロフェッショナル集団を目指したいと考えています。

先日もある大手金融会社のCIO(情報システム統括役員)より呼ばれ、現在のスパゲティ状になっているシステムの再開発(200億円規模)の計画局面にあたり、エンタープライズアーキテクチャ(インフラシステムを含む)やプロジェクト進捗の為のソフトウェアエンジニアリングの全局面への先進技術の活用による支援要請を受けました。

当社に対する多大な評価を大変光栄に思いましたが、それにお応えできる技術者はまだまだ当社では限られているのが現状です。今後益々このような要望が増えてくるものと思いますが、私共の今迄の神戸製鋼所様向けの先進システム構築の経験や、一般企業向けへのCRM、SAP等の進んだシステム構築技術に一層磨きをかけ、このようなCIO要請にどんどんお応え出来るようなりたいものと思っています。そして「技術のコベルコシステム」の評判を確立し、お客様へのお役立ちに更に力を入れていきたいと思います。

2005年7月

代表取締役社長(当時) 酒井哲夫

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