社長通信 社長・瀬川文宏が気になること、考えさせられたことを綴ります。

2005年06月06日

お客様創造とお客様満足度の向上

P.F.ドラッカーはその主著「マネジメント」で企業の唯一の目的は「顧客を創造する」ことであり、「利潤」は目的でなく企業の妥当性を判定するものだと喝破しました。

最近当社の昔からのお客様の社長から「どうもうちのIT化は遅れている。お客様や現場からの不満の声を良く耳にする。営業拠点毎にバラバラだと云われている。にもかかわらず、貴社からの適切な提案がない。」という不満の声を頂戴しました。

これをきっかけにして当社のSE部隊による「経営戦略的観点からのシステム課題と対応策」検討会が経営幹部、現場部門、IT部門を巻き込み全社的にスタートしました。期間にして2ヶ月、トータル10数回のワークショップを実施し、経営戦略的観点からシステム課題、要望と対応策が整理されました。物流品質上の問題、ローコスト・オペレーションの課題、情報セキュリティーの課題等が出され、ひとまず社長最終報告に至りました。今後最重点優先課題を明確にした上で、中期的なシステム化計画が立案され、開発に取り組む事となります。

お客様満足度向上活動は正にこのようなものと考えます。現在のディスサティスファクション(品質トラブルやクレーム、満足度がマイナスの状態)に応えるだけでなく、お客様の抱えておられるアンサティスファクション(内心持っている不満や期待、満足度がゼロの状態)に積極的に応えていくことが、お客様満足度をゼロから大幅に向上させるだけでなく、顧客創造につながっていくと考えます。
相互信頼と委託をベースとした人間関係重視のマーケティング、利他の精神をベースとしたお客様との「場」の共有化とコミュニケーション重視の活動こそが、お客様満足度の向上と上昇につながり、結果として業績向上につながっていく。目先の業績を追い求める活動からはだけでは決してお客様満足度向上と顧客創造は生まれないと思います。

可能なかぎりお客様を訪問し、会話し、お客様の声を直に「聴く」。そしてそのアンサティスファクションに「意い」を込めて「応える」、「意い」を「届ける」。このサイクルを廻していくことこそがCS経営と考えています。

どれほど多くのこのVOC(Voice of Customer)、アンサティスファクションを聞き得たかがお客様への訪問頻度に加え重要なKPI(Key Performance Index)になります。

生産性を上げ内部的な効率を求める経営に加え、それ以上に市場に、お客様の声に耳を傾け反応し、お客様と課題を共有しソリューションを創造していく、お客様満足のあくなき追求の効果的な経営こそが今求められていると思います。

2005年6月

代表取締役社長(当時) 酒井哲夫

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