代表取締役社長が気になること、考えさせられたことを綴ります。

2026年

一つの領域を極めた専門家こそが人材価値が高く、複数の分野に関わる人材は「器用貧乏」と見なされる評価軸が、依然として残っています。しかしその考え方は本当に有効なのでしょうか。スポーツの世界では、与えられた役割を越えてチームを支える「ユーティリティー」が首脳陣の戦術の幅を広げる存在となっています。企業においても同様に、部門や役割の境界を越えて価値を発揮する「越境人材」や「多能工」は組織の柔軟性を支えています。スポーツにおけるユーティリティーの姿を手がかりに、人材の新たな価値と、それを戦略資産として育てていくことの意味を考えます。

将来の代表選手を育成するために各競技団体がエリート育成プログラムを拡充しています。若い選手に良質な環境を与え大きな成長を促す仕組みは才能を輩出する一方で、幼い頃からの過度な期待や競争が精神的・身体的負荷を強いる面もあります。遅咲きの選手が世界で活躍する事例が示すように、成長のかたちは本来、多様です。これは企業の選抜教育にも通じます。多様な成長のあり方を認め、その可能性を見落とさない仕組みが求められているのではないでしょうか。

大学スポーツの世界では、男子と女子で勢力図が大きく異なります。とりわけ女子駅伝や女子レスリングでは、関西や東海を中心とした大学が成果を上げています。その背景には、競争が激しい領域を避け、限られた資源を特定分野に投じる「選択と集中」により、差別化を図る戦略があります。企業も同じく持続的成長のためには、早い段階で競争の少ない市場を見極め、ブルーオーシャンの創出を常に狙うことが重要です。

スポーツの世界では、終盤に劇的な逆転が起こることがあります。勝っている側は現状を守ろうという心理のワナに陥り、攻めの姿勢を失いがちです。負けている側は失うものはないため、リスクを取り、流れを変える力を発揮します。この構図は、ビジネスにも当てはまります。現状維持を基準にした判断は、挑戦を遠ざけ、成長を妨げる要因になりかねません。失敗を恐れずチャレンジするためには、どう変わるべきなのでしょうか。

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