毎月更新中!社長通信 社長・田野美雄が気になること、考えさせられたことを綴ります。

2020年02月01日

不易流行
~神戸という街の変遷~

KOBE

2月に入りました。すっかり正月気分も抜けましたが令和最初のお正月は神戸にとって色々と印象深いものでした。嬉しい話題としてはサッカーの天皇杯でヴィッセル神戸が優勝したこと、そしてラグビートップリーグが開幕し神戸製鋼コベルコスティーラーズが3連勝している事です。勝ち点ではパナソニックに一歩譲っていますが、直接対決で勝って本年も優勝してくれる事を大いに期待しています。

もう一つ忘れてならないのは阪神・淡路大震災、1月17日にあれから25年を迎えたことです。兵庫県ではひょうご安全の日として「震災を風化させない-『忘れない』『伝える』『活かす』『備える』」を基本コンセプトに、阪神・淡路大震災の経験と教訓を広く発信し、次の大災害への備えや対策の充実につながる事業を展開しています。神戸製鋼所でも甚大な被害を受け、コンピュータシステムも同様でした。神戸市東灘区にある神戸製鉄所灘浜センターは当時神戸製鉄所のシステムだけではなく、全事業部門の基幹システムが集約されていました。それを救うため、加古川製鉄所のシステムセンターのメンバーがバックアップテープを灘浜から加古川にテープユニットごと搬送し、早期の基幹システム復旧を実現した話は当社設立30周年誌に忘れられぬ社史として掲載しています。

今も灘浜に練習グランドがあるラグビー部も震災には深く関わっています。震災2日前の1月15日に行われた日本選手権決勝で7連覇を達成。平尾誠二さんらメンバーは祝日だった翌16日の月曜日は自由行動となっていました。それぞれが優勝の余韻に浸り、日常に戻るはずだった火曜日の朝、東灘区にあったラグビー部社員寮の1階部分はつぶれ、隙間をこじ開けて外に出たラグビー部員たちは、がれき処理、見回りなどで地域住民の力になり感謝されました。練習場は液状化現象を起こし、神鋼本社も倒壊したのですが、『こんな時にラグビーなんかやっている場合か』という雰囲気はなく、逆に「ラグビー部を動かすには、どないしたらええんや?やりやすくなることがあったら、言うてみい」と励まされたそうです。その時の感謝も込めてラグビー部公式ツイッターで25年後の午前5時46分にメッセージを更新しています。「BE KOBE 『私たちはあの日を忘れない。』」と記され、併せて動画も公開。25年前のこの日に震災が起き、神戸の街とともに同社の高炉も壊滅的な被害を受けたことを写真などで紹介し、復興の道を歩んできたことを振り返っています。平尾さんからチームを託されたW.スミス総監督はチーム結束の原動力としてこの出来事を捉え、今季のジャージーには震災直後に緊急停止し、約2カ月半で復旧した「第3高炉」をあしらいました。「(復興を)ラグビー部は背負っている」と山中選手。神鋼フィフティーンの連覇への意志は固そうです。

神戸の街は震災後25年で大きく変わったものと変わらないものが入り混じっています。復興へのシンボルとして「復興神戸に明かりを灯そう」と神戸ルミナリエが開催され、その後新たに神戸を代表するものとして医療産業都市として発展しましたし、理化学研究所にはスパコンの「京」などが設置されました。昨年8月に「京」はその役割を終えて撤去され、次は「富岳」が設置される予定ですが、京の最大100倍以上という計算速度だそうです。テクノロジーの進化はとめどなく続きますね。被災の象徴的な映像だった三宮そごうも、昨年神戸阪急へと変わりました。

神戸はおしゃれでファッションセンスの良い街と昔から言われていますが、時代の変化に即して新しいものや面白いものを積極的に取り入れる気質があるのだと思います。一方で神戸の街は奈良や京都に並ぶ歴史を持っており、古くは平安初期に伊勢物語で有名な在原業平や業平の父である阿保親王が芦屋にゆかりを持ち、平安末期には平清盛が福原に遷都しようとしています。当時から大輪田泊という港を持ち宋との貿易港として発展してきました。山と海が近くて風光明媚、気候温暖で住みやすく文化的な港町で豊かに育ったこの街の人々はおしゃれで優しくて負けず嫌い。この地を愛し、この街の発展、復興に強い思いを持っています。それは昔も今も変わりません。

不易流行という言葉が俳諧にあります。「不易(永遠に変わらぬ本質的な感動)と流行(ときどき新味を求めて移り変わるもの)とがあるが、不易の中に流行を取り入れていくことが不易の本質であり、また、そのようにして流行が永遠性を獲得したものが不易であるから、不易と流行は同一であると考えるのが俳諧の根幹である。」とする考え方だそうです。京都にこのイメージがありますが、神戸も負けず劣らず街も人もまさに不易流行で今に至ったのではないでしょうか。

サブスクリプションモデルが注目され、モノとコトという考え方が広まっていますが、神戸製鉄所の高炉も昨年5月にその役割を終え、石炭火力で低CO2排出の神戸発電所に生まれ変わります。モノづくりに拘りながらも鉄や発電設備といったモノから発電というコトへ神戸製鋼も変化し続けています。ITを活用しての企業の発展も不易(=コト)流行(=モノ)であるのだなと思います。

2020年2月

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