社長通信 社長・瀬川文宏が気になること、考えさせられたことを綴ります。

2005年04月05日

新入社員の皆さんへのメッセージ

お早うございます。25名の皆さんのコベルコシステムへの入社を心から歓迎し、お祝い申し上げます。本当におめでとう。皆さんにお祝いと歓迎のメッセージをお贈りしたいと思います。

私達を取り巻く環境、IT産業のこれから、コベルコシステムのビジョンと今後、そして皆さんに期待する事という順で話しますが、全体を通じて申し上げたいのは“グローバルに羽搏け”ということです。企業も個人もこれからの時代を生き抜いていくには、グローバリゼーションへの対応力と自己変革力を持つことが最も大切であるということ、特に新入の皆さんは今後数10年に亘るビジネスマンとしての人生を送るに当り最も重要だと思い、この“グローバルに羽搏け”を皆さんへの歓迎の言葉にします。

私達の周りを見廻してみますと、地球規模での変動が起こっている事に気づきます。地球規模での環境の変動は、スマトラ沖地震や玄界島沖地震に代表されるように、地球の温暖化のみならず地球そのものの物理的で不気味な変動を感じさせます。

又、日本経済はここに来て踊り場状態にあるとはいうものの、年後半に向け、順調な成長を遂げると云われています。10年以上に及んだデフレも終息しつつあり、CD景気(チャイナ&デジタル家電)に支えられ、親会社である神戸製鋼所も過去最高の利益を出しましたし、原材料高懸念はあるものの、当分この好調は続きそうです。

しかしながら米国の双子の赤字や日本政府の破滅的な財政赤字の肥大化は、今後の経済社会の大変動を招きかねない事態に迄陥っています。特に日本の財政赤字は、このまま推移すると2008年には破綻するのではとまで一部に云われています。このような事態への対応も個人レベル、企業レベルで対応策を講じて行く必要があります。

さらにグローバルレベルでの金融、経済、企業活動等が活発化し、もはや一国単独で何かが起こるという事はほとんど少なく、株式にしろ原油高等に伴う企業の業績にしろ、グローバルの動きの影響を瞬時に受けるようになっています。国にしろ企業にしろ、激しいグローバルコンペティションをしつつも共存共栄、共生していかねばならない、すべてがつながっていく時代に突入したといえます。このグローバル化の動きを支え促進しているのがITであり、ネットワーク、インターネット革命であり、急速に世界中が一物一価に収れんし標準化が促進されていっています。

個人も企業もまさにグローバルに羽搏く必要に迫られているといえます。

さて、IT産業のこれからを見てみますと、1つは日本のIT産業がもはや成熟化産業の仲間入りをし、かつてのような2桁以上の伸びは期待できず年率3〜4%の成長にとどまり、サービス化が一層進展すると思われます。又お客様のコスト削減、高品質化に対する要求は一層強まり、価格競争の激化と中国・インド等の企業を含めたメガコンペティションが激化してさえいます。

世界第3位のIBM PC事業が中国のPC会社連想集団に売却された事に象徴されるように、世界レベルでの業界再編、大淘汰の時代に突入したと云ってもいいと思います。

一方、第2次ネットワーク革命と云ってもよいITの新しい潮流ユビキタス社会の入り口に我々はさしかかっており、ITの大きな変化と成長も今後期待できます。ユビキタス社会のキーワードはブロードバンド、モバイル、セキュリティ、シームレスです。覚えておいて下さい。IT産業も又、グローバル化への対応、企業変革力が問われています。

このようなIT産業の大変革下でのコベルコシステムの方向性を次にお話しします。

今年で会社が発足して22年目を迎えます。又IBM、神戸製鋼の両親の新しい枠組になり4年目を迎えます。これら両親に支えられ、まずまず順調な発展を遂げており、1万社余りもひしめいている情報サービス産業の中で、売上規模で50位前後の位置を占めています。神戸製鋼所のIT化支援、貢献や、IBMサービス事業への貢献を通じて得たノウハウ・スキルをベースに“ITによる経営力向上支援企業”として、主として製造業中堅大企業へソリューション・サービスを提供している訳です。数年以内に西日本No1のIT企業になることをめざしていますが、お客様満足度に於ては日本一の企業になることをめざし、CS経営を実践している最中です。皆さんも強力に支援と参画をお願いします。ここにかかげてあるように<届いてますか?あなたの熱意 聞こえてますか?お客さまの声>というのが当社のCSスローガンです。ぜひ覚えて帰って下さい。

お客様に喜ばれ、信頼され、コベルコシステムと仕事をしていて本当に良かったと云われるような企業になるよう全員で取り組んでいます。

又、グローバルにも通用する力をもった、企業の変革力にもすぐれた自由闊達でハツラツとしたしなやかな企業にもっともっとなるよう奮闘中でもあります。
最後に皆さんに期待することをお話します。再度申し上げますが、“グローバルに羽搏け”ということです。

野村総研のレポートによりますと、2008年にはインドのソフト会社による日本向けビジネスは日本全体のソフト開発業務の30%にもなっている、15万人のインド人が日本向けに働くようになるといいます。これに中国での日本向けオフショアビジネスを加えると、日本でのソフト開発の半分がオフショアでの開発になっていると予測されています。少し過激な予測とは思いますが、当社でも一昨年4千万円、昨年1億を実施し、本年2.5億を中国オフショア開発でやろうとしています。又10人以上の中国人SEがブリッジSEとして当社の事業所で働いています。5年先、10年先をみますと、皆さんの中から中国アジア等で働くSEも随分増えてくると思います。 グローバル化への対応で重要なことは次の2つです。

  1. 外国語を身につける。特に英語、そして中国語
  2. ロジカルシンキング、プレゼンテーション能力、表現力を身につける

ということだと思います。

私自身も英語力向上をもっと若い時から心がけるべきであったと反省しています。皆さんもTOEICで700点アップを是非めざしてほしいですね。

自己変革力の向上の為には高い志をもって意欲的に失敗を恐れずに物事に挑戦していくことです。
そしてあきらめず、地道に継続して努力していくことです。皆さんのような若さであれば、今から積極的に取り組めば何でも出来ますし、何にでもなれます。不可能なことは何一つありません。

最後に私の好きなサミエル・ウルマンの“青春”という詩を松下幸之助さんの訳にてお贈りします。

‘青春’ 青春とは心の若さである
信念と希望にあふれ勇気にみちて
日に新たな活動をつづけるかぎり
青春は永遠にその人のものである

皆さんのこれからの新しいビジネスマンとしての人生のご健勝と、コベルコシステムでのご活躍を心よりお祈りしております。

“ グローバルに羽搏け ”

2005年4月

代表取締役社長(当時) 酒井哲夫

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