毎月更新中!社長通信 社長・田野美雄が気になること、考えさせられたことを綴ります。

2019年11月01日

フォワードはディフェンスの最前線、強いチームはフォワードが強い
~営業は企業のフォワード、売る事(売り方)が一番難しい~

ゴール

11月になり、日本代表の決勝トーナメント進出で大盛況だったラグビーワールドカップもいよいよ大詰めを迎えます。予選プール1位での日本代表の決勝トーナメント進出は期待以上で感激しましたね。でも南アフリカはやはり強かった。このコラムの起草時点ではわかりませんがさてどこが優勝するのでしょうか。

ということで今月もラグビーネタでいきます。素人の私の素朴な疑問の一つにフォワードとバックスという呼称と役割への違和感があります。サッカーの場合はフォワードが点取り屋でバックスはディフェンダーであり、これが一般的なイメージだと思います。ところがラグビーでは点取り屋はバックス主体です。スコットランド戦でフォワードの最前列であるプロップの稲垣選手がトライを挙げましたが、なんと代表に入って7年で初のトライだそうです。一方でバックスの松島選手や福岡選手はトライ王を競っていますね。サッカーでは逆にバックスが点を取るのはコーナーキックの際くらいで、通常プレー時はフォワードが主に決めるので、両者の役割はラグビーとサッカーで真逆に思えます。この違いはどう解釈すればよいのでしょうか。ということを有識者に質問したら、単に前に位置するのをフォワード、後ろにいるのをバックスと呼んでいるので、それはラグビーもサッカーも一緒という単純な事でした。ルールが違うのでポジションごとの役割も異なり、結果として点取り屋の主体が真逆になるという事でした。フォワードもバックスも攻めるときは攻め、守るときは守るというのは同じですが、役割によって攻守の比率が違うだけの様ですね。

これを企業に置換えてビジネスを試合と設定すると、フォワードはお客様の最前線にいる営業部門になります。バックスは製造業なら製品開発部門や製造部門、サービス業ならデリバリー部門がそれにあたるでしょう。ハーフは両者にボールをつなぐ役割なので、営業支援、商品企画、品質保証サービス等でしょうか。企業にとっては得点する=販売するという事になりますが、これを持続的に成長させるというのは大変難しい事です。かつて創業まもないトヨタ自動車がアメリカ車に負けない良い製品を造ろうと頑張りようやくそれに近づいてきたときに創業者の喜一郎氏は『良い商品が出来ても売れなくては意味がない。売る事が一番難しい』と言われたそうです。そして技術屋である彼は販売力のある人を尊敬し、販売を任せ、その意見に耳を傾ける事で今日の成長の礎を築きました。その後のトヨタの国内での強さは言わずもがなですが、その原動力は実は営業力なのです。トヨタだけでなく一般に強いと言われる会社は営業が強い会社です。キーエンスの提案営業は有名ですし、かつてIBMがIT産業をリードしていた時代の強みの一つは営業部門でした。他にも営業が強い会社の例は枚挙に暇がありませんね。とはいえ、営業だけで売れるものでもありません。最終的に契約書を受領(トライ、ゴール)するのは営業ですが、そこに至るまでのバックスやハーフの活動の成果の集大成が販売実績です。すなわちフォワード機能が強い会社はバックス機能も強いので、結果として持続的成長ができる総合的に強い会社という事なのでしょう。でもやはりトライは最後の詰めであり決める事は難しい事ですし、その主役は営業であると私は考えています。

では強い営業というのは何なのでしょうか。OJTや営業研修、お客様満足度向上(CS)研修などで習得できるコミュニケーションスキルや接客スキル、自社商品・サービスの知識等は営業能力の基本前提です。その上で私がITサービス業界にある当社の営業に期待しメッセージしているのは次の4つの要件です。

  1. お客様の業務を理解する。
  2. デリバリー(バックス)の仕事を理解する。
  3. 営業はディフェンスの最前線。後ろが守りやすい様に受ける。
  4. デリバリー(バックス)に尊敬され、お客様の為に会社組織を動かせる営業になる。

これらはいずれも簡単に身につくものではなく、それ故に営業が一番難しい役割と言えるのではないかと思っています。なかでも私が重要と考えるのは3.でお客様の要求をそのまま受けるのではなく、事業方針との整合性、リソース需給やプロジェクト体制の配慮、適切な利益などを加味してバックスが受けやすい条件を整え、なおかつお客様にとっても逆提案した内容にメリットがあり納得いただける様な交渉ができる能力です。そこまで営業が最前線でディフェンスしてからバックスへボールをパスできれば、品質、コスト、納期も計画通りに提供できる可能性が高くなり、お客様からもバックスからも信頼され、自ずと4.も実現可能になっていきます。弊社の長期経営ビジョンである「Be a Trusted Partner」とは言われたことを着実にこなすTrusted Supplierから一歩前に進んで、お客様のパートナーとして時には耳の痛い事も言えるWin/Winで対等の信頼関係を築くことですが、その関係構築の最前線にいるのが営業です。すぐには上記要件を弊社のすべての営業が身に着けるのは難しいですが、ビジョンの意味合いを理解し、行動が変化し、少しずつですがそんな営業が育っている手応えも感じています。フォワード(営業)の強いチームは強い、そんな会社に近いうちになれたらと思います。

それにしてもラグビー日本代表チームのフォワードは強かった。南アフリカはもっと強かった。強いチームはフォワードが強い。でも世界レベルで戦いました。明日へつなげてもらいたいものですね。日本頑張れ!

2019年11月

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