お客様にご満足いただくために CSコラム お客様とともに考え、ともに挑戦し、ともに『夢』をかなえたい。そんな想いを幹部が語ります。

2015年08月01日

第24回 お客様の期待値を超える
専務取締役 ERP事業部長 田野美雄

私は自動車産業の会社で営業、生産準備部門を5年間経験したのちに日本IBMに入社し、営業8年、営業マネジメント8年、コンサルタント2年、コンサルティングマネジメント10年というキャリアを、主に製造業のお客様にて積ませていただきました。その後2014年よりコベルコシステムのERP事業を担当しております。


私はこれまでのキャリアにおいて多くのお客様とお付き合いをさせていただきましたが、それらの中にはご満足いただけたこと、ご期待を裏切ってしまったこと、紆余曲折はあったが最後までやりきったことで戦友としての価値共有ができたことなどいろいろあったなあと、このコラムを起草するなかで振り返って思い出しました。

IT業界に入って30年になり、この間にテクノロジーは大きな変化を遂げ、お客様のITプロバイダーに求める要求もそれに応じた変化があり、我々IT業界に関わる人々は懸命にそのお客様の要求に追随してきました。

一方でお客様のご満足を得るために必要な要素のなかで、テクノロジー、ITスキルといったものは単なる1要素に過ぎず、もっと大切な要素である「お客様を理解する」「お客様との信頼関係を築く」「お客様の変化に気付く」などのコミュニケーションベースの要素は時間、業界を問わず普遍的なものであります。


コベルコシステムにおけるCS向上の活動はIT業界に属するが故の最新のテクノロジーやメソドロジーに追随することでお客様にご満足をいただくものと、普遍的なCSの基本要素を実直に磨いていくという2つの側面をあわせ持つものであります。CS委員会が推進するCS改善活動には今年も全社で69チーム460名余が参加しており、9月に行われる全社発表会で優秀な取り組みを表彰する予定です。

また2005年度より毎年公募しているCSスローガンの2015版として採用されたものをご紹介します。

気付こう「期待」 築こう「絆」

このスローガンは各オフィスに大きく掲示されており、社員は日々これを見ることで無意識にCS向上マインドが高まっているのだと自負しております。


さて「CSコラム」という事なので、お客様から満足いただく、という事について、ここで私なりの見解を述べさせていただきます。

満足を得るということは、お客様の期待に応えることに尽きます。

では、お客様の期待に応えるためにはどうすれば良いか…。これは、まず第1に「お客様の期待を正しく知る」ことが大切です。正しく知る、という意味は、お客様の出されたお題について、なぜそのお題なのか、その背景は何なのか、などを自分なりに解釈し、その上で期待される品質レベルを正しく把握することを言います。そして、できればそれをお客様に直接確認することをお薦めします。そうすることで、お題に対する自分の理解が正しいか確認できますし、場合によってはお題そのものが間違ってる事にお客様が気付くこともできます。

図1. お客様の満足領域

こうして、お客様の期待を正しく理解できれば、こんどはその期待レベルを超えるにはどうすべきか、を考えて行動すれば良いわけです。それが自分ひとりの力では期待値を超えられない場合は、上位マネジメントやチームのヘルプをもらう事でそのハードルを越えることができます。大事なのは、ハードルの高さと現在の計画を見比べて、超えられるかどうかを見極めることです。ハードルを越えれば満足を得られますが、満足にも種類があります。それは、お客様の期待値にも幅があり、最低許容期待値(MIN)と想定最大期待値(MAX)の範囲で満足領域が形成され、それらのどのレベルに提供品質が納まったかによって、まあまあ良くやった、良くやってくれた、大変満足、といった評価に分かれるものと思います。さらには、お客様の期待MAXを超えるレベルに行くと、ここまでしてくれるのか、という「感動」の領域に入ります(図1.参照)。

お客様は必ずしも、担当者が個人の能力でハードルを越えることを期待していません。それよりも、お客様からお題を頂く担当者が、きちんとそのハードルの高さと方向を把握して、会社としてそれを乗り越えることを期待しているのだと思います。

もう一つ、大切なことがあります。一度お客様の期待を越えたら、次のハードルはさらに高くなっている、ということです。継続したお仕事を頂く場合に、ともすれば慣れが生じますが、お客様の期待は常に進化していきますので、我々の提供サービスレベルもそれに追随していかねば、どこかで満足の流れは途切れます。そして一度不満のスパイラルに入ると、これまでの信頼関係は簡単に崩れ、その修復には大変なエネルギーを必要とします。これらを乗り越えて、満足から感動につながるサービスの提供が常にできる会社になれたら素晴らしいと考えています。


コベルコシステムの社員は、こういった考えをCS教育や改善活動を通じて培っておりますが、まだまだ行き届かぬ点も多々あり、日々品質向上、CS活動に努める必要があると認識しております。CS活動にゴールはありません。全社員が日々CSを意識した活動にまい進することで、お客様の成功に貢献し、結果として会社と社員の成長につながっていくことを期してやみません

2015年8月

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