お客様にご満足いただくために CSコラム お客様とともに考え、ともに挑戦し、ともに『夢』をかなえたい。そんな想いを幹部が語ります。

2026年08月01日

DXの時代だからこそ、人にしか作れない満足がある
執行役員 ソリューション営業本部長 森 郁雄

コベルコシステム_森 郁雄

最近、飲食店へ行くと、注文はタッチパネル、会計はセルフレジという光景が当たり前のようになりつつあります。店員さんと会話をするのは料理を運んできてもらうときだけ、という店も珍しくなくなりました。以前は、「おすすめはありますか?」「ごちそうさま、美味しかったです。」といった何気ない会話が自然とありましたが、そのような接点がなくても食事が完結することが多くなりました。
これは決して悪いことではありません。むしろ、注文ミスやロスが減り、待ち時間も短くなり、人手不足への対応として非常に合理的です。お客様にとっても、自らのペースで注文できるメリットは大きいですし、デジタル化は確実にサービス品質を向上させていると言えるでしょう。

一方で、このような光景を見るたびに考えることがあります。
「CS(顧客満足)とは何だろうか?」

かつて、飲食業において顧客満足は「笑顔で接客すること」「丁寧に応対すること」と語られることが多かったと思います。しかし、現代では人と接しなくても高い満足を得られるサービスが数多く存在しています。では、人は何に満足しているのでしょうか?
私は、「期待を上回る体験」が顧客満足の本質なのではないかと思っています。例えばタッチパネルで注文する店であっても、料理が予想以上に早く提供されたり、画面が分かりやすく誰でも迷わず注文できたり、アレルギー表示が見やすかったりすれば、お客様は満足します。満足は「人」が作るものではなく「体験」が作るということです。そして、その体験を設計しているのは、結局のところ人であるということです。

どのような画面なら迷わないか?
どのタイミングで料理を提供すれば快適か?
困ったときにスタッフはどう動くべきか?
これらを考え抜いた結果が、デジタルという形で提供されているのだと思います。つまり、デジタル化によって人の役割がなくなってきているのではなく、人が活躍する場所が変わってきていると考えています。

私はIT業界も同様ではないかと思っています。以前はシステムを「作ること」が価値でした。しかし生成AIやクラウドの進化によって、システムを構築すること自体は以前より便利になりつつあります。これから求められるのは、「どのような体験を提供すれば、お客様の仕事がもっと楽になり、成果につながるのか?」を考える力だと考えます。つまり、システムそのものではなく、お客様がそのシステムを利用して感じる価値を設計することが重要になってきます。

近年ではCX(Customer Experience:顧客体験)という言葉が広く使われるようになっていますが、私はCXとCSは切り離せない関係にあると考えています。良い体験が積み重なって初めて、高い顧客満足につながっていきます。そして、その体験はシステムだけで完結するものではありません。例えば障害が発生したときの迅速な対応、担当者が課題を自分事として捉える姿勢、将来を見据えた改善提案など、人だからこそ提供できる価値こそが、今後ますます重要になってきます。

こうした考え方は、飲食店にも当てはまります。普段はタッチパネルで注文していても、高齢のお客様が困っていればスタッフがすぐに声を掛ける。子ども連れのお客様には先回りして食器を用意する。このような「人にしかできない気配り」が、お客様の印象に強く残ります。便利さだけでは感動は生まれません。便利さに加えて安心感や思いやりが加わったとき、初めて「また利用したい」という気持ちになるのだと思います。
DXが進む社会では、人と人との接点は確かに少なくなっていくかもしれません。しかし、それは人の価値が小さくなっていくという意味ではなく、むしろ限られた接点だからこそ、一つひとつの対応や提案の価値が以前より大きくなっていくのだと思います。

私たちが目指すべきCSとは、単に便利なサービスを提供したり、システムを構築したりするだけではなく、お客様が「この会社と付き合って良かった」「この担当者に相談して良かった」と感じられる体験を積み重ねていくことであると考えています。
DXの時代だからこそ、人にしか作れない満足があるはずです。「私たちはシステムを納品する会社ではなく、お客様の成功体験を共創する会社でありたい。」その思いを持ち続け、今後も活動していきたいと思います。

2026年8月

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