お客様にご満足いただくために CSコラム お客様とともに考え、ともに挑戦し、ともに『夢』をかなえたい。そんな想いを幹部が語ります。

2018年06月01日

第29回 信頼されるパートナーを目指して
執行役員 産業ソリューション事業部 ERPソリューション本部長 菊地 英

当社は長期経営ビジョンとして『Be a Trusted Partner』を掲げ、その第1ステップとして2018年より新中期経営計画『Get Trust!2020』がスタートしました。これは顧客基盤強化の足固めの3ヶ年と位置付けています。その重点施策の一環として、弊社としてCS向上に向けて様々な取組みを実施しています。例えば、お客様満足度調査や、プロジェクト満足度調査の実施、全員が受講するCS研修の定期的な実施や、このコラムなどもその一環です。

今回はこのコラムを執筆するにあたり、「サービスサイエンスによる顧客共創型ITビジネス」(諏訪良武、山本正樹/共著 JUAS(一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会/協力))の内容を参考に筆を執らせて頂こうと思います。
私なりに解釈するとこの書籍ではCSを考える上で重要なポイントは、「品質」と「期待値」にあると書かれています。(端折り過ぎて筆者には怒られるかもしれませんが紙面の関係上ご容赦下さい。)

まず、お客様にご評価頂く「品質」という観点では、以下の2つが重要とあります。

  • 成果品質(品質、納期、予算)
  • プロセス品質
    1. 正確性:資料にミスがない
    2. 迅速性:期待以上のスピード感
    3. 柔軟性:突発事項への柔軟な対応
    4. 共感性:お客様の意図への共感
    5. 安心感:安心のブランド
    6. 好感度:担当者の好感度

その中でもお客様にご評価頂くには「成果品質」を遵守するだけではなく、特に「プロセス品質」という”お客様との接し方”が重要になります。

サービスの評価は成果とプロセスに分解
図1.サービスの評価は成果とプロセスに分解
(出典:諏訪良武・山本政樹『サービスサイエンスによる顧客共創型ITビジネス』翔泳社,2015年,カバー)

6つの要素の関係
図2.6つの要素の関係
(出典:諏訪良武・山本政樹『サービスサイエンスによる顧客共創型ITビジネス』翔泳社,2015年,p21)

次に、重要なポイントはお客様が持たれる「期待値」です。
お客様が持たれている期待値「事前期待(※1参照)」を予め把握した上で、それを超えていくという事が重要と書かれています。

※1「事前期待」の構成要素
  • 提供するサービスの内容は何か?
  • 対象となるお客様(個人、役割)は誰か?
  • 期待値の種類、レベルはどうか?
    (当たり前レベル < 個別の好みに対応 < 状況の変化に対応 < 感動体験)

また、「対象となるお客様に接する担当者個人の意識、スキルが重要である。」とありますが、その上で、担当者個人のセンスや経験に任せるのではなく、お客様の「事前期待」を把握し、「成果品質」だけでなく「プロセス品質」を実現できる社員を育てること、そのための会社の取り組みや担当者のお客様に接する姿勢を評価するといった会社としての仕組みの重要性についても記載されています。

翻って当社はどうなのか?前述したようにお客様満足度調査やプロジェクト満足度調査など当社が提供させて頂いたサービスについて、お客様からご評価頂く仕組みがありますが、場合によってはお客様からの評価が低いケースも多々あります。

これらの内容を踏まえると社内のCSに関する取り組みや仕組みは重要ですが、現状はそれだけで終わらせているのではないかと考えました。もう少し具体的に言うと調査結果を実際の担当者がお客様との接し方に活かせるようにする必要があると思いました。その為には現場レベルで日々、担当者個人へ意識付けることや部門内の空気感というものが最も重要なのではないかという思いに至りました。

会社が存続していく上では部門損益や稼動率といった社内のKPI(Key Performance Indicator)は重要ではありますが、いつしかそれらを優先的に考えてしまい、自分達の都合でお客様に接している事があるのではないでしょうか。
私自身が実際にお客様システム構築プロジェクトを担当させて頂いていた時に大事にしていたのは社内の管理事ではなく、お客様が何を期待されているのか?どうすればお客様に喜んで頂けるか?という事でした。

今後はこの当時の私自身の思いや上述した内容を社内で共有する事で、現場部門としてさらに担当者がお客様の事を考えられるようにしていきます。それが結果として我々が目指す「お客様から信頼される真のパートナー」になる最短な道だと考えています。

今後とも宜しくお願い致します。

2018年6月

ライター

執行役員
クライアント事業部
アウトソーシング本部長

菊地 英

入社後、主に神戸製鋼グループや外販のお客様のシステム開発・保守を担当。
2005年よりERPビジネスに携わり幅広い業種のビジネスを手掛け経験を積む。
2017年より産業ソリューション事業部ERPソリューション本部長、2018年3月に執行役員。2021年産業ソリューション事業部製造ソリューション本部長に就任。
趣味はキャンプとサッカー観戦。VISSEL KOBEのファンでもある。

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