社長通信 社長・瀬川文宏が気になること、考えさせられたことを綴ります。

2015年12月01日

先進技術への取り組み

冬の木立の夕景

当社では年に一度、先進技術コンファレンスを開催し、その年度の先進技術の重点テーマに対する社員の取り組みを発表しています。今年のテーマはクラウド・インテグレーション、データアナリティクスとアジャイル開発です。

今後、パブリックなSaaS、IaaS,プライベートクラウドやオンプレミスといったシステム環境が混在することが多くなると思います。また、セキュリティや資源の有効活用の観点からITガバナンスが重要となりますが、一方で、エンドユーザーが独自にSaaSを導入していくケースも増えると予想されます。上述したような様々なハイブリッドクラウドが入り込んだ環境になった場合、システム間、アプリケーション間のリアルタイムな連携ができないと、タイムリーな見える化が実現できなくなったり、業務の要件を満たすことができなくなる可能性があります。当社が進めているクラウド・インテグレーションサービスはそれらの解決を狙っており、今回のコンファレンスでは様々なクラウドやERPとの連携など、現在の実践状況や今後の計画が紹介されました。

データアナリティクスに関しては、親会社である神戸製鋼所の研究所からゲストスピーカーを迎え、神戸製鋼所における取り組み状況や事例の紹介を受けました。神戸製鋼所では従来から、高炉を始め、センサーや生産機器から送られてくる大量のデータをプロセスコンピュータなどで収集・解析し、品質向上や生産効率向上に活用しておられます。最新の取り組みやこれからの課題などを伺って、我々IT子会社は、単なるデータ活用のインフラ提供やサービスのみならず、データアナリティクスが有効な手段となるよう、もっと業務の現場に踏みこまなくてはいけないとの思いを強くしました。社員の発表ではIBMのPaaSであるBluemixにより、専門家でなくとも簡単にデータアナリティクスの環境構築と解析が実行できるか、デモで分かりやくす紹介し、報告しました。

アジャイル開発ではアプリケーションの保守フェーズで有効なことを適用事例を挙げて紹介しました。アジャイル開発はユーザーの業務の理解や信頼感が必要です。したがって、まったくの新規ユーザーより、すでに保守を担当しているケースで始めるのも一つの方法ではないかと示唆する内容でした。日本では産業構造の問題もあってウォーターホール開発が主流であり、それがシステム開発期間を長くしている大きな要因となっています。事業部門はグローバルで競争しているのに、それを支えるシステムの開発においてスピードという観点で競争力を失っているのは問題です。当社では、アジャイル開発や超高速開発に取り組んで、それを解決したいと考えています。

このコンファレンスは午後半日かけて行われ、多くの社員が参加して新たな取り組みに向けて相互に刺激しあっています。当社は業界に革新を巻き起こすゲームチェンジャーではなく、地に足のついたユーザー系IT会社として、お客様の二、三歩先を行き、その経験や知識、アセットやソリューションを着実にお客様に提供し、お客様とともに発展していきたいという想いで、先進技術に取り組んでいます。


2015年12月



上述の技術やソリューションにご興味のある方は、ぜひこちらもご覧ください。

【クラウド・インテグレーション】 【データ活用】
【アジャイル開発】

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