社長通信 社長・瀬川文宏が気になること、考えさせられたことを綴ります。

2015年10月01日

タウンミーティングから教えられる

秋桜

当社では毎年、社員満足度調査の結果を分析し、満足度が他の集団よりも相対的に低い集団(勤務形態、職位など)に属する社員と私が直接対話する「タウンミーティング」を開催しています。今年も、春から開催してきた社長タウンミーティングが9月上旬に終わりました。本来は社員全員と毎年このようなミーティングを開催できればよいのですが、1回当たりの人数を増やすと中々本音が言えないでしょうから、全員が意見を交換でき、和やかな雰囲気を維持できる人数として、毎回10~15人くらいに絞っています。

私から会社の方針や社員への期待などを説明した後、それに対して意見を言ってもらったり、日頃困っていることや改善してほしいこと、あるいは、業務を通しての課題意識などを自由に話してもらいます。私が答えることも、他の社員が意見を言うこともありますが、日頃仕事に真剣に取り組んでいる人たちから、この機会とばかりに色々な話がでます。ライン長ではない管理職の満足度が下がったり、入社して経験の浅い若手で「自分たちのスキルと仕事のギャップ」という項目の満足度が下がったり、集団として満足度が下がった翌年は、その集団を中心に開催しました。意思の疎通が少しは改善できたのだと思います。嬉しいことにタウンミーティングを実施した集団の社員満足度は前年よりも明らかに改善されました。もちろん、タウンミーティングだけではなく、人事制度などの具体的な変化への対応によるところも大きいのですけれど。

今年のタウンミーティングは、昨年の社員満足度調査で「会社の方針が伝わってこない、経営層と社員の間に壁を感じる」という分析結果と部長クラスからもそのような意見があることを受けて、マネジメント全員と中堅社員を対象に開催しました。新中期経営計画の背景からかなり詳細に説明、部長、グループ長や社員と意見交換をしました。都合26回、230人と対話できました。

中期経営計画は年初のニューイヤーキックオフミーティングで説明したのですが、キックオフの会場はもとより、TV会議やテレコンファレンス含め社員の1、2割しか直接聞いておらず、その後、上司から説明を受けたりビデオを見たものを含めても5割程度でした。ニューイヤーキックオフミーティングは、以前は本社会場と東京など数か所の拠点のTV会議に集まる方式でしたが、それではお客様常駐の社員が参加できないということで、テレコンファレンスやビデオ配信も実施しています。目の前の仕事が忙しくて会社の方針にまで頭が回らないのもあるでしょうが、仕事の都合で参加できない社員が多くいることを改めて思い知らされました。やはり、経営としては同じ船に乗っている社員にしつこい位に進路を伝えないといけないと痛感しました。

今回のタウンミーティングでは、新しい中期経営計画の方針が何故生まれたのか、社会、経済、お客様、業界動向、当社の経営状況を分析した内容を説明することで、社員の腑に落ちたと思います。マネジメントは全員参加、中堅社員は希望者を募ったのですが、多くの社員が参加してくれました。ミーティング後のアンケート結果は、「参加してよかった」という声が圧倒的でした。

会社の方針を作り、一方的な説明や情報発信で社員がそれに従って動いてくれると言う思い込み、そして何故その通りに中々動いてくれないのだろうとがっかりするのではなく、これでもか、これでもかと発信し続け、しかも深く直接議論できる場を作らないと経営層の思いは社員には伝わらないということを改めて胸に刻みました。今年も社員満足度調査を行いました。昨年、力を入れて対応した項目がどれくらい改善されているのか、通信簿をもらうような気持で結果を待っています。


2015年10月

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