社長通信 社長・瀬川文宏が気になること、考えさせられたことを綴ります。

2013年11月01日

ベトナム紀行

秋の虫

4年半振りのホーチミン。
この間にどれくらい発展したのか興味津々でしたが、変わったことは、車が多くなったこと。それでも相変わらずバイクやスクーターが、特に通勤時間帯には道一杯に埋め尽くし、信号のほとんど無い道路を車や人をよけながら、まさに川の流れのように流れていきます。市街のど真ん中にもほとんど信号はないので、4方向から流れ込む車やバイクが交互に混ざり合い、ぶつかることもなく流れていきます。バイクには前にパパ、後ろにママ。真ん中に子供が座って3人、4人乗りも珍しくありません。この風景は前と全く変わっていませんが、少しばかり車の量が増えたのではと思います。

ベトナム料理は以前同様美味しいです。新鮮な魚介類を見れば、日本人の私なら「刺身で食べたい」と思いますが、現地の人は生の魚やエビは食べないので、新鮮なのにもったいないなと思います。前に訪問した時、海鮮料理屋にも「刺身」というメニューは無く、スーパーでチューブ入りワサビを買ってお店に持ち込んでいました。しかし今回入ったお店には、メニューに刺身があり、おまけにWASABIと書いてあって、見慣れたチューブ入りワサビが有料でオーダーできるのです。しかし、よく見るとチューブの表記は中国語。「原産地 日本」と書いてあるので、日本からワサビの原材料を出荷し、中国でチューブに加工されてから輸入されたようです。世界的な和食ブームで、ベトナム人も刺身を食べるようになったのか、はたまた日本人が多くなったのか。実際に日本からの工場などの進出は、例の「チャイナ・プラスワン」ということで、ホーチミン市だけで常時1万人近く(定住しているのは数千人)いるとのことでした。
また、2005年に建てられたランドマーク的な高層ビルの展望台から見渡すと、メコン河に沿って近代的なバイパス道路が整備されています。これは日本のODAで建設されたもので、今も日本からのODAが一番多いとのことです。そのせいか日本人には皆さん好意的で、安心して滞在することができます。料理の味付けが日本人の口に合うのも道理ですね。

今回は、ITサービス会社を2社訪問しました。ベトナム最大手の1社は売上の55%が日本からの開発案件で、もう1社は今年になってIT企業を中心に日本企業が300社も視察に訪れたとのことです。
IT産業という観点でチャイナ・プラスワンを見ると、理工系で最も優秀な学生がIT系に集まるベトナムは有力候補だと思われます。タイは多くの日系企業の工場が進出し、どちらかと言えば生産系に人が集まり、IT系は人材が集まらないと言われています。注目を集めるミャンマーもIT技術者が少ないとのことですので、やはりベトナムが本命と言えるでしょう。
ただ、ひたすらより安いコストだけを求めるなら、オフショア開発もいずれは行き詰まると思います。品質やコミュニケーション、円安などを考えると、より生産性や品質を上げることや、アジャイルなど開発のやり方を変えていくことでニアショアの方に有利さを見出すことは可能だと考えています。オフショアも、お客様のグローバル戦略を重ね合わせることで、また違った価値が出てくるでしょう。これらのことを踏まえてグローバル対応を考えて行かねばならないと感じさせられました。

それにしても往復ともにベトナム航空を利用しましたが、やはり日本の航空会社の“おもてなし”が恋しくなりました。グローバル化が進んでも、こればっかりは世界一でいてほしいですね。

2013年11月

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