社長通信 社長・瀬川文宏が気になること、考えさせられたことを綴ります。

2013年12月01日

2013年 雑感

バイオリンを演奏する人

このところ、季節外れに暑かったり、早い降雪があったり…、異常気象と言うのでしょうか。季節感が狂う中でも暦は確実に進み、今年もあっと言う間に師走になりました。

2013年の経済面を少し振り返ってみると、次の3点がキートピックスだったと考えています。まず、1点目は、4月の日経平均株価が4年7カ月ぶりに1万3千円台になり、11月には1万5千円台に回復したこと。アベノミクスによるのか、たまたま運が良かったのか。実態経済や賃金上昇に結び付くのは、まだまだこれからだと思います。2点目は、消費税の8%への引き上げ決定です。日本が真剣に財政収支改善に手を着け始めたことが国際的にも認知され、国債の安定性が少し担保されたのではないでしょうか。3点目は何と言ってもTPP交渉への参加表明や長年の農業政策であった減反保障制度の廃止が検討され始めたことです。日本の経済や政治が変革に向けて大きく動き始めたことで、産業界の変革がさらに進み、ITが貢献できる場面がもっともっと加速していくものと期待しています。

ITの世界では、Social、Mobile、Analytics、Cloudという、いわゆるSMACの世界がますます加速してきたと実感する1年となりました。人々がFacebook、TwitterやLINEでコミュニケーションと情報共有を図り、タブレットとスマートフォンがPCの出荷台数を凌駕しました。センサーや画像、GPS、ソーシャルデータなど、あらゆるところから刻々とデジタルデータが排出され続けていますし、クラウドは、サーバーの概念を大きく変え、迅速に投資リスクなく新しいシステムを立ち上げます。これらSMACの普及によって第三の産業革命(少々大げさですが)が起こりつつあると言われており、実際に、これらをリードする企業の売上や時価総額は前年比20%以上となり、先を読む投資家の期待を集めています。

一方で、ユーザー企業にとっては、これらをいかに活用して企業の価値創造、競争優位を勝ち取るかが大きな課題かと思います。最近、事業部門などエンドユーザー部門で、新しい戦略をスピーディに実行するために、IT部門とは独自にクラウドでアプリケーションを導入する傾向も始まっています。この世界では従来のIT部門の役割も大きく変化し、企業によっては第二のIT部門や子会社を作り出すところも現れてきました。そういう意味ではこれからのIT部門、IT子会社の役割を考え直す時期だと思います。システムのオーナーという位置付けから、エンタープライズのシステム戦略を作り出し、セキュリティやネットワークなどのITポリシーや共有化をリードし、エンドユーザー部門のクラウドアプリケーションなどの導入を支援、監督する役割に変化しなければならないと思います。

つい先日、クラウド上でのサーバーサービスを提供している大手プロバイダーが倒産しました。クラウドサービスを提供していくには大きな投資が必要で、大手プロバイダーでもいつこのような危機に遭遇するか予測がつきません。経験豊かなIT部門であれば、想定内のリスクであり、もしもの時の事前の対策を講じておくことができるのではと思います。

当社がこの流れの主流になってITテクノロジーをリードしていくことは規模的に難しい面もありますが、当社は常に、「お客様のパートナーである」という位置付けを確認し、お客様よりも一歩先を見ながら、お客様の事業への活用を共に考え、いかに早く、他社にない価値を創造し、ご支援できるかが重要だと考えております。

今年も残すところ後1ヵ月。多くのお客様、パートナー様に大変お世話になりましたことを、心より感謝申し上げます。来年も社員一人ひとりが精進し、会社として成長することで、お客様の発展にさらに貢献したいと思います。また、この一年間、つたない社長通信を読んでいただきありがとうございました。少し早いですが、どうぞ皆様、良いお年をお迎えください。

2013年12月

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