社長通信 社長・瀬川文宏が気になること、考えさせられたことを綴ります。

2013年10月01日

新旧の交代と技術の伝承

ススキ

この9月末で60歳を迎え定年退職する社員の面々に、永年の会社への貢献に対して感謝状をお渡しし、慰労と感謝の午餐会を開きました。フランス料理を楽しみながら、この時ばかりはとお酒も少々飲み、一人ひとりに今までの思い出や今後の抱負などを語ってもらいました。学校卒業後、親会社含めてずっとこの会社に勤務している人、他の会社から転職してきた人、入社以来、機械の設計・制御からシステム開発など、いろいろな仕事に従事し、東京・神戸・山口・栃木など日本各地で単身赴任を長く続けた人もおられました。会社以外でも、ボランティアで身障者の水泳コーチをしたり、趣味を楽しんだりして充実した暮らしを送ってきたことなど、いろんな話が聞けました。仕事はもちろん、それ以外でも幅広く活躍されていたんだなと、改めてそれぞれの人生の重みを感じました。
定年退職後の第二の人生も皆さんそれぞれです。出社日を減らすなど、労働形態は変わりますが、当社の再雇用制度を利用して豊富なスキルや経験を後輩に引き継ぐべく、後輩指導や支援などをする人、ひとまず仕事を持たないで自由な身分を楽しむ人、高校のクラブの監督に就任する人など、いろんな道を歩まれる予定で十人十色です。私もこの10月1日で還暦ですから、とても身近に感じて感慨深かったです。これからの活躍を祈念します。

一方、送り出す側としては、経験を積んだベテランの技術やスキル・ノウハウをきちんと継承していくのが大きな課題です。当社では、毎年秋にCS改善活動発表会を開催しています。今年の最優秀賞は、ベテラン社員がいなくなり、若く経験の浅いメンバーだけになった、業務アプリケーションの保守・運用をしているチームの活動です。本来であれば、ベテランがいなくなる前にベテランの頭の中をしっかりと知財化しないといけないのですが、そうできないケースもあり、途端にお客様からの評価が下がったようです。バックログがいっぱい溜ってしまい、なんとか改善したいということで、社内の保守運用のベストプラクティスをくまなく調べ、それをベースに自分達で新しい運用プロセスを生み出しました。その結果、お客様満足度調査の評点が上がり、バックログも解消されたそうです。ベテランによって属人化されていた業務を標準プロセス化したのです。
従来の改善活動は職場のQCサークル活動的に改善にとり組むものというものですが、会社の方針や上位からの指示ではなく、CSという観点で自ら新しい業務プロセスの構築に取り組んだのです。CSの原点に返り、会社や上司・組織まかせでなく、もっと自らが踏み込んでやらねばならぬと言う強い危機感と、お客様にご満足いただきたいと言う強い意識を感じました。

昨年も当社のCS改善活動発表会の紹介をしましたが、これらの発表を聞くと会社の中で何が起こっているのか、社員がどのような考えで日々仕事をしているのかがよくわかります。その意味でこの発表会は宝の山です。年々活動チームも増えていますし、毎年全役員が参加するのも頷けます。CS改善活動は、職場を改善していこうという地道な活動から始まりましたが、仕事の仕方や環境変化に合わせて進化して、もっともっと活発な改善活動をしていきたいと思っています。チームで活動する中で、ベテランから若手へスキルや知識を伝えていくのにも大いに役立つと思います。小さな改善を継続的に積み重ねることが大きな変革につながり、お客様のご満足がいっそう高まっていくことを期待しています。

2013年10月

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