社長通信 社長・瀬川文宏が気になること、考えさせられたことを綴ります。

2013年09月01日

タウンミーティング

桔梗

タウンミーティングについては3T(楽しい、短時間、達成感)の推進ということで昨年9月の当コラムで少し触れましたが、今回は当社のタウンミーティングがフォーカスしている点についてご紹介したいと思います。

タウンミーティングは、社長が現場に出向き、直接社員と向かい合うことで、「社員の生の声」を聞くことを基本的な狙いとしていますが、社員から「社長の生の声」を聞きたいという逆の期待にも応えています。また、参加している社員同士が意見交換やディスカッションして、違う部門の社員が情報交換する場にもなっています。1000人を超える社員一人ひとりと短期間に対面するのは難しいので、毎年、いろんなグループに分けて行っています。昨年、社長に就任して、まずはお客様拠点で常駐している組織やプロジェクトを重点的に回りました。その次は、現場のリーダーとして苦労しているファーストライン中心に実施、それから若手中心というように、課題を多く抱えているであろうグループから始めました。

タウンミーティングでは、日ごろ思っていることの質問や提言などを事前にアンケートで書いてもらっています。参加する社員自身の頭の整理にもなりますし、内容によっては本社スタッフの智恵を借りたりして回答を考えておきます。よく出る質問は、変化の激しいIT業界の中での当社の中長期の事業戦略やグローバル化がますます進む中でのグローバル戦略と人材育成です。また、当社の良いところ、悪いところは何で、それらをどう改善しようとしているのか。組織変更の狙いとその効果に関しての質問などもあります。それぞれの組織の長から話を聞いて知っているのではと思う事も、直接社長から聞きたいということもあるのでしょう。社員が何を思っているのか知りたいということよりも、社長がどう思っているのか知りたいと言う場面の方が多くなってしまいます。1回あたり十数名に絞っていますが、予定の2時間では議論を深めるには時間が不足がちで、夜に懇親会を行い、さらにざっくばらんな声を聞くようにしています。「なんでもいいから言ってごらん」と言っても、他の社員もいますので、どうしても本音がでないところがあり、そのフォローの意味合いもあります。

最近、私が特にフォーカスしているのは、「自由闊達な会社の風土作り」です。「会社や上司からの指示を待ち、言われたことをそのとおりに実行する」ということから、「会社や組織の方針を自ら理解し、原理原則に照らして正しいと考えたことを自ら実行する」、そういう風土を作りたいと思っています。タウンミーティングでは、このことを熱心に社員に語りかけるようにしています。社長だから何でも知っているわけでなく、むしろ現場の社員の方が市場やお客様の動向には敏感です。会社の方針を待つのではなく、自らが考え、提言し、実行する。タウンミーティングが、そんな風土への基礎作りに役立てばと考えています。

タウンミーティングの場では、なかなかその場で質問に的確に答えることができなかったりして冷や汗をかいているのですが、終了時に書いてもらうアンケートは、「直接社長からいろいろな話を聞くことができて良かった」という好意的な意見が概ね多くあり、ほっとしています。ただ、中には、納得できなかったことや、不安、不満なコメントもたまにあります。前者は五分の一に割り引いて、後者は五倍にして受け止めるようにしています。
「社長だからと言って何でも分かっているわけでもない。指示待ちではなく、自らが考え、行動することが大切だ」ということが、少しでも分かってもらえたら大成功だと思っています。

2013年9月

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