2014年12月01日
あらゆるモノがWebで繋がる!
Web of Things
Web of Thingsとは
近年様々なモノがインターネットに繋がる「Internet of Things (IoT, ※1)」が注目を集めており、2020年までには世界中でインターネットに繋がるデバイスの約8割がPCやスマートデバイスではないセンサーデバイスなどになると言われています。IoTの普及によって様々なモノが賢くそして便利になるでしょう。しかし、現在のIoTのデバイスやネットワークは十分に標準化されていないため、その上で提供するサービスやアプリケーションを開発するにはコストが掛かります。このため、現在普及しているHTMLやJavaScriptなどのWeb技術を使ってIoTを利用したサービスやアプリケーションを開発できるよう標準化するのが「Web of Things (WoT) 」の考え方です。
IoTというキーワードでは主にデバイスやネットワークが注目されているのに対し、WoTではIoTの上で提供されるサービスに注目します。ちょうど「インターネット」がネットワークを表すのに対し、「Web」がインターネット上で提供されるサービスを表すのに似ています。
先日HTML5が標準化団体によって勧告されましたが、新しいWeb技術の標準化は次々と進んでおり、Web技術だけでできることが非常に増えてきています。例えば、Webブラウザ同士でビデオチャットのようなリアルタイムコミュニケーションを実現する技術の標準化が進められています。最近ではWebの技術を基盤としたPCやスマートフォンのOSも登場し、Web技術だけでアプリケーションを作ることができます。さらにWeb技術でセンサーや車のような多様なデバイスを扱えるようにするのがWoTの考え方です。
WoTの応用先はIoTと同様に、電力、通信、医療、工業、自動車、スマートホームなど多岐にわたります(図1)。
※1 あらゆるモノがインターネットにつながる世界 ~「モノのインターネット(Internet of Things)」
https://www.kobelcosys.co.jp/column/itwords/227/
図1. WoTの応用先
Web of Thingsのメリット
【相互運用性が高い】
デバイスベンダーが独自の技術を採用するのではなく、標準化された技術を採用することによって異なるベンダーのデバイスであっても共通の技術で使用できるようになります。これによってデバイス間の相互運用性が増し、一つのサービスをより広い範囲で使用できるようになることが期待されます。
【開発者の層が広い】
WoTでは、新しい技術を再発明するのではなく、これまでWebで広く使われてきた標準的な技術(HTTP, JavaScript, JSONなど)を採用するため、多くの開発者がWoTのサービス開発に参加することができます。また、Web技術はWebブラウザさえあれば簡単に使うことができるため、教育用途でも使われるなど、今後の開発者人口の拡大が期待されます。多くの開発者が参加することで、多くの画期的なサービスが生み出されるでしょう。
Web of Thingsのこれから
WoTの標準化は始まったばかりですが、これから標準化が進むにつれてWoTを基盤とした新しいサービスが出てくるでしょう。IoT市場の約8割はデバイスではなくサービスによるものと言われており、WoTのサービスを提供するベンチャー企業なども続々登場することでしょう。企業においては、IoTのデバイスから取得したデータをWoTのサービスで可視化して経営判断の材料にすることも増えていくでしょう。2020年の東京オリンピック開催までに身の回りのデバイスやサービスがどう変わっていくか、注目してみてください。
2014年12月
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