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2013年05月01日

スマートフォン+SNSで加速するO2O(オーツーオー)

O2Oとは

近年O2O(オーツーオー)と呼ばれるマーケティング手法が注目を集めています。O2Oは「オンラインto オフライン」の略で、インターネット上で利用するサービス(オンライン)を用いて、顧客に実店舗(オフライン)へと足を運んでもらえるようにする取り組みです。
O2Oという言葉が使われるようになったのは最近ですが、コンセプト自体は昔からあります。例えば、携帯電話やPCへセールの情報を配信し、実店舗に来てもらうといったことが行われていました。

スマートフォン+SNSによるO2Oの加速

スマートフォンとSNSの急速な普及が、実店舗での商品やサービスの販売方法や消費方法を変えています。スマートフォンはインターネットと高い親和性を持つため、顧客がいつでもどこでも手軽に情報を入手することができます。またスマートフォンの普及にともなって、SNSの利用者も増えています。SNSでは多くの人に情報を伝達することができ、クチコミの効果が大きいため、個人だけでなく企業でもSNSの利用が拡大しています。さらに、SNSを通して顧客とのコミュニケーションを図ることで、顧客から潜在的なニーズを引き出したり、企業のファンになってもらったりすることも可能になります。
スマートフォンにはカメラ、加速度センサー、GPS(Global Positioning System)などの機能が搭載されているため、バーコードリーダーとしての利用ができたり、手軽に現在の位置情報を確認できたりするといった特徴があります。このような特徴をうまく利用して、来店促進や売上拡大のためにO2Oサービスを展開する店舗が増えています。例えば、顧客の位置情報に基づいて、周辺店舗のセールや来店ポイントなどのお得な情報を提供し、来店してもらえるような工夫をしています(図1)。

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図1.顧客に来店してもらうよう店舗から位置情報でセール情報を配信

O2Oサービスの活用

企業におけるO2Oサービスの活用イメージとして、総務省(※1)から下記のような典型的な活用パターンが示されています。

  • Webサイトで商品を受付、実店舗から配達
  • SNSでクチコミ情報を事前に調べ、実店舗で購入
  • 実店舗で使えるクーポンのネット上での共同購入サービス
  • スマートフォンの位置情報を元に実店舗で利用できるクーポンを発行
このように、ネット上で提供されるサービスや配信情報を元に、顧客に実店舗の利用を促すことができます。また、顧客の購買活動の結果として、ネット上に投稿されたクチコミが企業の代わりに宣伝を行なってくれるため、新規顧客の開拓や売上拡大といった効果を期待出来ます(図2)。

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図2.SNS利用のO2Oサービスの活用事例

なおO2Oサービスを活用するには、企業がマーケティングプロセスに顧客を巻き込んで、顧客に来店してもらうように好奇心を喚起し、楽しんでもらう必要があります。そこで活用できるのがゲーミフィケーションというコンセプトです。例えば、先着何名の来店限定ポイントや来店限定クーポンをネット上に配布して、ゲーム感覚で顧客に競争して来店してもらいます。

(※1) 総務省(2012)「O2Oに係る利活用の先進事例に関する調査研究」
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/linkdata/h24_08_houkoku.pdf

O2Oの今後

O2Oの取り組みはまだ始まったばかりですが、スマートフォンの普及に伴って、ますますネットから実店舗への誘導が増えてくるでしょう。さらに、スマートフォンに搭載されているNFC(Near Field Communications)(※2)やバーコードリーダーのような、実世界の情報を読み取る機能を利用した、実店舗からネットへという逆方向の誘導も考えられます。ネットと実店舗を融合させ、売上拡大や顧客の購買リピート率の向上を目指してみてはいかがでしょうか。

(※2) スマートフォンへの搭載で期待が高まる近距離無線通信~NFC(Near Field Communications)~
https://www.kobelcosys.co.jp/column/itwords/250/

2013年5月

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