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2013年04月01日

オープンデータでイノベーションを加速!!

オープンデータとは

ビジネス・アナリティクスやビッグデータといった、ビジネスの意思決定や新規ビジネスの開拓という分野でのデータ活用に注目が集まる昨今、活用されるデータ自体にも新しい風が吹き始めています。国や地方自治体などの公共機関、大学などの教育機関、さらには民間企業などが、第三者の活用を想定して所有しているデータを公開する「オープンデータ」と呼ばれる取り組みです。オープンデータとして公開されるデータは、個人情報や機密情報が取り除かれ、自由に再利用・再配布できる状態で公開されます。その種類は、国勢、環境、気象、地図、教育、経済市場、科学、学術論文など多岐にわたります。
では次の章で、実際に行われているオープンデータの取り組みを紹介していきます。

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各国のオープンデータの取り組み

オープンデータの取り組みは特に海外で進んでおり、各国政府が政治の透明化を目指す「オープンガバメント」と呼ばれる政策の一環として、政府の保有するデータが国民に対して公開されています。アメリカ政府の「Data.gov」(http://www.data.gov/)やイギリス政府の「Data.gov.uk」(http://data.gov.uk/)は、その先駆けです。
各国政府がデータをオープンにするのは、政治の透明化を目指すことに加え、公開されたデータから「新たな切り口」や「新たな活用法」といったイノベーションが生み出されることを期待しているためと言われています。
一方、日本でも、海外のオープンデータやオープンガバメント活動の影響を受け、取り組みが始まっています。具体的には、以下のような取り組みが出てきており、今後もデータの公開が推進されていくものと考えられます。

  • 2013年1月、経済産業省がオープンデータを実践するための試験的なサイトである「Open DATA METI」(http://datameti.go.jp/)を立ち上げ
  • 2012年7月、総務省がオープンデータの流通を促進するための環境を整備する目的で「オープンデータ流通推進コンソーシアム」(http://www.vled.or.jp/odpc-archive/)を設立
  • 福井県鯖江市など、市町村レベルでデータの公開に積極的な自治体の登場
オープンデータの取り組みは、データを公開するだけでなく、そのデータを活用して新たな価値を創出することも重要視されています。次に、オープンデータの活用事例を紹介します。

オープンデータ活用事例

オープンデータを活用すると、公開されているデータを加工、分析し、新たなサービスを生み出したり、異なる複数のデータを組み合わせて、これまで得られなかった新たなる知見を得たり、様々な発見が期待できます。

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日本での取り組みは、上記のとおりデータの公開が始まったところという状況ですが、全国の図書館の書籍情報や貸し出し状況を確認するためのサービスや、自治体に収めた税金の使い道を可視化するサービスなどが開始されています。また、共同でオープンデータの活用方法を考えたり、実際にサービスを構築したりするハッカソン(※1)も開催されています。ハッカソンの中では、オープンデータと地図をマッシュアップし、観光や生活をサポートするアプリケーションなどの開発が行われ、そのサービスを公開しています。

※1. ハック(hack)とマラソン(marathon)を合わせた造語で、特定の目的を遂行するために、1日から数日間、集中的に共同作業を行うイベント

一方、オープンデータの公開から数年が経過している欧米諸国では、電車やバス、飛行機などの交通機関の運行状況をリアルタイムにマップ上に表示するアプリケーションや、現在の場所から最も近い公園や博物館、お手洗いなどの公共施設を探し出してくれるアプリケーションなど、様々な活用事例が出てきています。さらに、オープンデータの取り組みを進めていくことで生み出される経済効果も報告されています(※2)。

※2. 経済産業省:IT融合フォーラム公共データワーキンググループ(第3回)資料2
http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/shoujo/it_yugo_forum_data_wg/003_haifu.html

日本におけるオープンデータの取り組みはこれからという状況ですが、ビッグデータへの期待の高まりと相まって、このオープンデータへの注目がますます高まるものと思われます。

2013年4月

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