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2012年12月01日

業務にも普段と同じ利便性を!
ITコンシューマライゼーション

スマートフォンやタブレットといったコンシューマ(消費者)向け情報機器の性能と使いやすさは、驚くべきスピードで向上しています。また、利用者数の増加につれ、アプリケーションやサービスも増加し、利便性も格段に高まってきています。
今回は、消費者向け情報機器の性能や利便性を企業のシステムに活かす「ITコンシューマライゼーション」という概念を紹介します。

ITコンシューマライゼーションとは

ITコンシューマライゼーションとは、「ユーザーが業務を行う際、普段使用し、慣れ親しんでいる手法や情報機器で操作した方が利便性や効率が良いため、これを積極的に活用しよう」という概念です。

図1:ITコンシューマライゼーションの概念
図1:ITコンシューマライゼーションの概念

消費者向けの機器やアプリケーションは、企業向けのものより多岐に渡るユーザー層を想定しています。そのため、誤り防止や操作手順の単純化など、使いやすさの点で一層注意を払った設計になっています。このような設計を企業システムにも適用することで、企業システムの誤り防止や使いやすさ向上に繋げることができます。
また、最近の機器は高性能化しており、企業システムの端末としても使えるレベルになってきています。「操作への慣れ」という観点では、ユーザーの個人所有機器に勝るものはないため、個人端末をそのまま企業システムの端末として利用する、BYOD(Bring Your Own Device)という考え方も提唱されています。

図2:個人の機器で企業システムを操作(BYOD)
図2:個人の機器で企業システムを操作(BYOD)

3.11の震災以降、企業の事業継続性の確保という観点で、自宅からでも業務が継続できるように、BYODに対応する企業が増えてきました。

ITコンシューマライゼーションの課題

一方、ITコンシューマライゼーションの実現に向けた課題も浮き彫りになってきました。例えば、ユーザーが好む機器や操作方法は千差万別のため統一が難しく、ある程度各自の好みに合わせたり、カスタマイズ可能にしたりするなど、システムに柔軟性を組み込む必要があります。
また、BYODを取り入れると、問題になるのは責任境界の明確化です。例えば、個人の機器に悪意のあるソフトウェアが紛れ込み、その影響で損害が発生した場合、その責任は所有者にあるのか、それともBYODを許した企業にあるのかの線引きは難しくなります。そこで、悪意のあるソフトウェアの混入を防ぐためのソリューションとしてMDM(※1)が必要となります。

※1 スマートフォンのビジネス利用に不可欠なツール!!
  「MDM(Mobile Device Management)」
https://www.kobelcosys.co.jp/column/itwords/218/

ITコンシューマライゼーションの今後

インターネット関連の技術は今もなお目覚ましい発展を続けており、いつでもどこでも業務が行える環境がさらに整っていくと考えられます。また、今まで以上に企業向けと消費者向けのITの垣根は低くなっていくことが予想されます。例えば、仮想化技術の進歩によって企業システムをサーバー上に集約し、シン・クライアント端末としてスマートフォンを利用することで、セキュリティを確保した上で企業システムを利用する方法も注目されています。
今後、ますます発展が予想されるITコンシューマライゼーションをどのように活かしていくか。企業システムにとって重要な要素になっていくことでしょう。

2012年12月

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