2012年11月01日
コンピュータが状況や変化を認識!
『コンテキスト・アウェア・コンピューティング』
コンテキスト・アウェア・コンピューティングとは
今や、スマートフォン、クラウド・コンピューティング、ビッグデータがIT業界の三種の神器として名を馳せています。これらの発展により、今後注目を集めるであろうと考えられているのが「人や物事の状況や変化を認識する」という概念や技術である「コンテキスト・アウェアネス(Context Awareness)」と、そのコンテキスト・アウェアネスをコンピューターにより実現し、その結果から高精度なサービスの展開へと繋げる「コンテキスト・アウェア・コンピューティング(Context-Aware Computing)」です(図1参照)。
いつでも、どこでも、誰とでも繋がっている現在では、蓄積された個人データ、集合知、センサー情報等を総合的に情報化していくことで、個人が今置かれている状況をコンピューターが理解できるようになります。さらにその理解から、複雑な課題の解消に繋げたり、個人ごとに最適化された、よりスマートな環境が実現できるようになっていきます。
図1:コンテキスト・アウェア・コンピューティング
コンテキスト・アウェア・コンピューティングがもたらすサービス
(日常生活で・・・)
スマートフォンなどのデバイスを介して、コンピューターはまるで秘書のように、状況に応じた有益な情報を推薦したり、積極的に個人に関わってきたりするようになります。今後、ビッグデータの活用が進むにつれ、さらにかゆいところに手が届く存在になっていくでしょう。
また、このサービスが発展することで、デバイスに対して複雑な入力をしなくても適切に判断してくれるようになります。これにより、ITが苦手なお年寄りでも恩恵を受けやすくなり、デジタル・デバイドの解消に貢献できそうです。
(ビジネスの現場で・・・)
蓄積されたお客様のデータに基づいて、コンピューターはお客様の好みを理解できるようになります。これにより、なじみ旅館のように、個々のお客様にカスタマイズされた旬のサービスを提供することが容易になります。
(住まいで・・・)
住宅に備え付けられた各種センサーによってシステムが環境を理解し、バランスのとれた採光・空調のある環境を、人間が操作することなく維持することができるようになります。これにより、エネルギーの有効利用につながります。
これらのサービスを最大限に生かすためには、複数のセンサーなどで収集された、個人の状況認識につながるデータをシステムに蓄積する必要があります。また、コンテキスト・アウェア・コンピューティングの発展には、データを安全に利用するための仕組みが必要不可欠となります。
コンテキスト・アウェア・コンピューティングの適用例
スマートフォン上では既に、コンテキスト・アウェア・コンピューティングの先駆けとなるようなアプリケーションが提供され始めています。今までのように、個人が必要な情報を検索したり、スケジュールを確認したりするのではなく、過去の行動履歴、現在の時刻・スケジュール・位置情報などに基づいて、次の行動に必要な情報がシステムの側から積極的に提供されます。
今後も様々な場面で遭遇することになるコンテキスト・アウェア・コンピューティングに注目してみてください。
2012年11月
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