社長通信 社長・瀬川文宏が気になること、考えさせられたことを綴ります。

2015年03月01日

タイの日系企業におけるIT事情

菜の花

先月、タイのバンコクに行ってきました。この時期は乾季で暑いわりには湿度もそれほど高くなく、過ごしやすくて訪れるにはベストシーズンです。本来は昨年の5月の予定でしたが、戒厳令が出て直ぐということで、現地の状況も安定化していないため延期したのですが、季節的にはラッキーでした。羽田空港からは午前11時発の日本航空でフライトすれば現地時間の午後4時にバンコクのスワンナプーム国際空港に到着です。時差は2時間ですから約7時間の辛抱ですが、時差ぼけしなくてすむのはありがたいですね。

今回の目的は、現地のグループ企業のITの実情とサポートに関する意見交換ですが、まさに各社色々でした。本国のIT部門でグローバルをERPで展開している会社はさほど現地でのサポートは必要とせず、日本の本社IT部門との連携をしっかりとやっておけば済むということでした。一方、会社の規模の問題もあり、現地では現地でという会社が多く、ITの構築、運用では日本のITのガバナンスを理解し、現地のIT会社とも連携できる人材を必要としています。ただ、タイのIT技術者は中国やインドなどと比べると少なく、優秀な人材は年収の高いシンガポールに行ってしまうらしいので、現地でIT技術者を採用することは結構大変のようです。また、そのようなIT技術者も日本本国のITの方針の理解やコミュニケーションのギャップがあり、日本のIT技術者から現地でサポートを受けたいとのニーズが多いことに繋がっています。タイには多くのグループ企業が進出しており 、日系企業は1500 社以上に上ります。弊社では、中国にIT技術者を常駐させて現地のグループ企業や一般のお客様へのサポートを開始していますが、タイにおいても今後対応が必要だと再認識しました。弊社の要員がなんでもやるのではなく、すでにタイに進出されている日本のIT会社の現地法人や現地IT会社との連携でベストなサポートを提供していきたいと考えています。

バンコクは実に15年ぶりだったのですが、ずいぶん近代化がしているのに驚きでしたが、渋滞だけは相変わらずでした。ちょっとした近くでも車だと結構時間がかかるのですが、反対に地下鉄MRTAや高架鉄道BTSを利用すれば安くて早く移動できるのでかなり便利になっています。ただ、為替変動(以前は1万円だと4000バーツ位に交換してくれたそうですが、今は2700バーツ位)と物価の上昇で、日本よりも安いといった感覚はあまりなく、お昼にタイスキを食べたところ、日本円にして4000円くらいして、ちょっと悲しい思いをしました。それにしても、現在も軍事政権が続いているわけですが、バンコク市内は平穏そのものです。洪水や政治の混乱、中国の成長鈍化で陰りが出ているタイですが、そんなことを微塵とも感じさせない位に相変わらず、活気に溢れていました。


2015年3月

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