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2014年07月01日

ビッグデータの予測分析に「マイコン」!?

「マイコン」とは

「マイコン」と聞くと、1980年代初期に流行したパソコンの前身「マイコン(マイクロコンピュータ)」を思い浮かべる方もいるかもしれません。今回紹介する「マイコン」はそれとは異なり、「マイクロコントローラ(※1)」と呼ばれる、一つの集積回路にCPU、メモリ、入出力回路、タイマー回路などを格納した製品です。この「マイコン」は私たちが身近によく使用する家電製品(テレビ・エアコン)や、工場などで使用されている工作機械、建設現場で使用される重機などの中でタイマー制御、表示制御などを担当しており、必要不可欠な存在となっています。このマイコンを含む制御システムは「組み込みシステム」(エンベデッドシステム)とも呼ばれます。最近では、学生向けに安価なマイコンを利用した学習教材も提供されるなど、大学・企業での学習用途や、個人でのDIY (Do It Yourself)用途でプログラミングから電子工作までを手軽に行えるツールとして注目が集まっています。

図1 家電製品などに組み込まれるマイコン
図1 家電製品などに組み込まれるマイコン

※1:ワンチップマイコンとも呼ばれる

マイコンに組み込まれたセンサーからデータを収集

近頃ではあらゆる「モノ」をインターネットに接続し、データを収集するInternet of Things(IoT=モノのインターネット)(※2)の考え方も社会に広まっています。この考え方をより多種多様な環境で実現するため、簡単には電源が得られないような場所・環境でも使える小型・低消費電力のマイコンが開発されています。これらのマイコンを組み込んだ家電製品・工業製品などから取得される様々な情報を、無線通信によって集める動きが進んでいます。

取得される情報の一例として以下のものがあります。

  • 車やタクシーから、走行データ、雨量データ、位置情報の取得
  • 重機・工業機械の運用情報(実働時間・アイドリング時間・利用場所)の取得
  • 家電製品から、部品の状態・保守状況の取得

図2 マイコンからの発信情報を収集
図2 様々な端末から取得されるマイコンからの発信情報を収集

※2モノのインターネット(Internet of Things)
https://www.kobelcosys.co.jp/column/itwords/227/

マイコンからの情報収集で行う「予測分析」のメリットと今後

最近では、さまざまな企業において、マイコンを内蔵したセンサー経由で収集した情報をビッグデータとしてリアルタイムで処理・分析し、予測を行うことで、企業ごとの業態に合ったメリットを得る取り組みが進められています。一例をあげると以下のような予測が行われています。

【家電製品や、工業用機械・建機の故障予測】
製品に組み込んだセンサーによって、保守用部品の消耗度・利用状況をチェックすることで、部品がいつ頃故障するか予測します。次に、予測の結果を踏まえ保守対応の要否を判断し、交換の必要があるなら保守担当者が訪問し、対応します。この故障予測によるメンテナンスで事前に保守対応を進め、経年劣化(突発的故障以外)による故障の発生防止や、部品の交換期間の最適化により、コスト削減を実現しています。  
 

家電や機械に内蔵されたマイコンから収集される大量のリアルタイムなデータを活用する動きはこれからさらに広がりを見せることになりそうです。近い将来、家電や機械に限らず、衣料品などにもマイコンが内蔵され、例えばダイエットや健康管理など、そこから発信される様々な情報を分析・判断し、個人が活用できるようになるかもしれません。

2014年7月

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