これからは、コレ!旬なIT技術やこれから主流となりつつあるIT技術に関する情報をご紹介します。

2014年06月01日

DBの新しいカタチ
DBaaS

DBaaSとは

DBaaS(Database as a Service:ディービーアース)は、ネットワーク経由でデータベースを提供するクラウドサービスです。これまで物理マシンで構築し、定常的に保守を行うことが一般的だったデータベースですが、その習慣をガラリと変える「DBaaS」をご紹介します。

DBaaSはSaaS、PaaS、IaaSなどのクラウド・コンピューティング・サービスの一つに数えられます。以下のようなサービスが提供されており、従来のデータベース運用・保守業務を自動化することが期待されます。

  • データベースソフトの導入
  • データベースの自動配置
  • データベース管理システムへのパッチ適用やアップグレード
  • データのバックアップ
  • 障害発生時の代替サーバーへの引き継ぎ

参考:クラウド上で発展する様々なサービス
https://www.kobelcosys.co.jp/column/itwords/26/

k1406_1(1).jpg
図1.DBaaSの概念

DBaaSのメリット

DBaaSには、物理マシンで構築したデータベースと比べて以下のメリットがあります。

【容易なデータベース構築】
DBaaSを利用すると、サーバー環境をすぐに利用できるため、これまでよりも容易にデータベースを構築できます。データベース構築に必要な時間も短くなり、数分でサーバーの用意からデータベース作成までを行うことができます。そのため、数日間だけデータベースを移動させたい場合や、開発などの目的で一時的にデータベースを用意したい場合に迅速に対応できます。

【運用・保守の自動化】
データベースの運用・保守はメンテナンス作業やパフォーマンス対策など、とりわけ手間がかかることから、DBaaSを使うと負荷軽減による大きな効果が得られます。DBaaSで提供されているデータベース運用・保守関連サービスを利用することで、パッチ適用などのメンテナンスを自動化できるため、自社内で運用するデータベースよりも運用負荷を軽減することができます。
また、自動化が進むことで、データベース専門家が付加価値の高いアプリケーション開発に集中できることも期待されます。

【要求に応じた拡張性】
DBaaSでは、要求される処理性能やデータ量に応じて、データベースのスケールを柔軟に調整することができます。拡張の際には、CPUやメモリを増強するスケールアップにも、サーバーの数を増やすスケールアウトにも対応可能です。そのため、ビジネスの変化やアプリケーションの進化に伴う仕様変更に対応しやすい、柔軟性を持ったデータベースを構築できます。

k1406_2.jpg
図2. DBaaSのメリット

DBaaSの留意点とこれから

本番環境のデータをクラウド上に置くことに対して、信頼性やセキュリティの面で抵抗がある方も多いと思います。こういった懸念を払拭するため、DBaaSを提供するベンダーは、地理的に離れたデータセンターへの自動バックアップや、通信の暗号化といったサービスの提供に力を入れています。また、順次公開されているDBaaSのバージョンアップ内容には、信頼性やユーザー制御に関わるものが多く含まれています。そのため、今後DBaaSの信頼性やセキュリティは、より強固なものになっていくことが予想されます。

昨今、様々なDBベンダーがDBaaS戦略を打ち出しています。これまで考えにくかったデータベースのクラウド化ですが、近い将来、DBaaSがデータベースの選択肢になるのではないでしょうか。

2014年6月

ITの可能性が満載のメルマガを、お客様への想いと共にお届けします!

Kobelco Systems Letter を購読