2009年01月01日
クラウド上で発展する様々なサービス
SaaS・PaaS・IaaS
クラウド上で発展する様々なサービス「SaaS・PaaS・IaaS」とは
クラウド・コンピューティング・サービスとは、クラウドと呼ばれる「インターネットの向こう側」にある無数のサーバーやストレージやアプリケーション群をユーザーが存在を意識することなく、サービスとして利用するスタイルのことです。今回はクラウド・コンピューティングにより提供される様々なサービスについて解説します。
過去記事参考:ネット時代のパラダイムシフト「クラウドコンピューティング」
ソフトウェアを利用に応じて提供するSaaS(Software as a Service)
ユーザーがネットワーク経由でサービスとしてソフトウェアを利用するというアプリケーション利用スタイルです。ユーザーは、ソフトウェア・ライセンスを購入することや、インストールを行う必要はなくなります。月ごとのユーザー数などに応じて、使った分だけ課金されます。ASP(Application Service Provider)の発展したものと位置付けることができ、技術が進歩したことでユーザービリティの高さやカスタマイズのしやすさやマルチテナントへの対応などを備えており、利用しやすくなっています。
SaaSの開発・実行環境などのプラットフォームを提供するPaaS(Platform as a Service)
SaaSによるアプリケーションの実行基盤を提供するサービスをPaaS(Platform as a Service)と呼びます。PaaSには以下のようなサービスがあります。
- SaaSで提供するアプリケーションの開発環境を提供
- 既存ソフトウェアのSaaS化を支援する開発環境の提供
- アカウント数や利用度に応じた課金代行
- SaaSで提供されるアプリケーションを代行販売するマーケットプレイス
CPU・ストレージなどコンピューターのインフラを提供するIaaS(Infrastructure as a Service)
仮想化技術を利用してCPU、ストレージ、OS、ミドルウェアなど、システムを構成するためのインフラをインターネット経由で提供するサービスです。多数のサーバー群や大容量のストレージ群を保有する企業が仮想化技術を利用してサービスを提供しています。IaaSでは、ユーザー自身が、サーバー、ストレージなどのハードウェアをもつことなく、使いたいときに、使いたい種類のOSやミドルウェアやストレージ容量を選択して、クラウド上にサーバーを構成することができます。CPU時間やストレージの容量などの利用度に応じて課金されます。
※HaaS(Hardware as a Service)と呼ばれることもあります。
クラウド・コンピューティング・サービスの特色
クラウド・コンピューティング・サービスは以下のような特色があります。
- 利用分のみ課金される。(例:月単位でのユーザー数など)
- ハードウェアの資産を持たなくて済む。
- ソフトウェアの導入が不要になり、契約したその日から利用できる。
- 急激な利用者の増加やサーバー負荷の増減に応じた構成など柔軟な対応ができる。
上記のように利用者にとって、コスト削減や柔軟性などのさまざまな面でメリットがあります。
クラウド・コンピューティング・サービスの利用と今後
また、クラウド・コンピューティング・サービスの特性として、ユーザーからはクラウド内部のリソース(ハードウェア・ソフトウェア・データ)がどのように配置され、いかに運用されているのか見えにくいところにあります。ユーザーにとって重要となる業務処理やデータをクラウド・コンピューティング・サービスで扱う場合は、サービスの稼動率、データのバックアップなどの運用体制、セキュリティの確保などが、重要な課題になります。それらに関してサービス提供者とSLA(Service Level Agreement)を締結することで、あらかじめ合意をとることが重要になります。
今後、技術の進化とともに、ユーザーにとってより有益で安心して使えるサービスが出現すると期待されます。
2009年1月
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