これからは、コレ!旬なIT技術やこれから主流となりつつあるIT技術に関する情報をご紹介します。

2013年12月01日

垂直統合型システム
導入期間の短縮と、運用管理工数の削減を実現する

「垂直統合型システム」とは

「垂直統合型システム」とは、ハードウェアとソフトウェアをあらかじめ統合し最適化したシステムです。サーバやストレージ、OS・ミドルウェアなど、複数のコンポーネントを一つに統合するITシステムの構成方式は、1950年代に登場した「メインフレーム」が原型となります。

メインフレームは長らくシステム構成の主流でしたが、1990年代には「オープン系システム」が脚光を浴びるようになりました。このオープン系システムは、要望に応じてコンポーネントの構成を自由に選択できる拡張性の高さや、初期導入時における費用対効果の高さがメリットになり、人気を集めてきました。
しかし、オープン系システムでは、システムの構成が目的・機能・性能に見合っているかの検証作業に手間を要する点や、複数製品を組み合わせることで運用管理が難しくなり、管理工数が増大するというデメリットもありました。
そこで近年注目を集めているのが、システムを事前に構築・最適化し、複数製品の運用管理も一元管理できる製品の形で導入可能な「垂直統合型システム」です。

「垂直統合型システム」のメリット

垂直統合型システムでは、メーカー側が過去の販売・運用実績をパターン化し、あらかじめハードウェアとソフトウェアが統合されています。これにより、サーバ・ストレージ・OS・ミドルウェアの組み合わせによる整合性の検証や、システム構成に合わせたパフォーマンスが最適化された状態からのサーバ導入が可能となります。

このため、以下の3点が主なメリットとして挙げられます。(図1,2)

  • 初期導入時の動作検証に要する工数が短縮される
  • 事前にシステムが最適化されており、パフォーマンスが保障されている
  • 過去の運用実績に基づいて作成された運用管理ツールで、一元的に管理できる

図1.今までのオープン系システム導入今までのオープン系システム導入 
図1.今までのオープン系システム導入今までのオープン系システム導入

k1312_2.jpg
図2.垂直統合型システムでの導入

現在の垂直統合型システムの適用例

2012年末より、各ベンダーが垂直統合型システムに注目し、様々な製品を投入しています。製品の種別は活用の形に応じて様々ですが、大きく以下のように分けられます。
(図3)

  • 1: インフラ環境(サーバ・ストレージ・ネットワーク・保守管理)を
        統合・最適化したシステム。
        ⇒これに企業ごとに使用する独自アプリケーションを加えて導入する。
    2: 1に加え、使用するミドルウェアもまとめて統合・最適化したシステム。
    3: ビッグデータの分析など、特定用途に最適化し、統合したシステム。
        1や2と組み合わせた活用も可能。

 k1312_3.jpg
図3.最近発表されている垂直統合型システムの種別

さらに、この垂直統合型システムとクラウド・コンピューティングを相互に活用し、より導入コスト・運用コストを軽減した製品も登場しています。オープン系システムとは別の選択肢の一つとして、垂直統合型システムは今後ますます注目されていくことになるでしょう。

2013年12月

ITの可能性が満載のメルマガを、お客様への想いと共にお届けします!

Kobelco Systems Letter を購読