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2013年08月01日

「持つ」から「身に着ける」へ
ウェアラブルデバイス

ウェアラブルデバイスとは

昨今、急速な普及を続けているスマートフォンやタブレットに代表されるスマートデバイスは、これまで主役の座に座り続けたPCからその座を奪おうとしています。このような背景の中、スマートデバイスの次のデバイスとして注目を集めているものが「ウェアラブルデバイス」です。

ウェアラブルデバイス(Wearable Device)とは、Wearableの文字通り、身に着けて利用するコンピューターデバイスです。古くからSFの世界には登場しており、製品も開発されてきましたが、普及するまでには至っていませんでした。しかし近年、様々な製品が実用化されており、注目を集めています。ウェアラブルデバイスの例として、以下のようなものがあります。(図1)

  • ブレスレット型のデバイス
    ブレスレットとして身に付けたり、衣服にデバイスが埋め込まれたりしており、身体の動きや体温、血圧、心拍数などの健康状態を記録できる。
  • メガネ型のデバイス
    メガネに小型のディスプレイやカメラなどが取り付けられており、必要な情報を目の前に表示したり、目で見たままの光景を写真に撮ったりできる。
  • 腕時計型のデバイス
    腕時計にディスプレイが付いており、時刻以外に付加的な情報を表示できる。スマートフォンと連携して、スマートフォンでメールを受信した時に腕時計に通知を表示できる。
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図1.ウェアラブルデバイスの例

ウェアラブルデバイス実用化の背景

近年になってウェアラブルデバイスが実用化されてきた理由として、次のような背景があります。

  • 小型・軽量化
    コンピューターの小型・軽量化によって、装着していることをほとんど意識しなくても良いデバイスを作れるようになった。
  • モバイルネット環境の普及
    スマートフォンの普及により、モバイルインターネットによる常時接続が可能となり、インターネットを介した魅力的なウェアラブルデバイス用のアプリケーションが容易に開発できるようになった。
  • 認識技術などの発展
    音声認識や画像認識・センサーなどの技術の発展により、ウェアラブルデバイスへの入力方法として、より自然な方法を使えるようになった。

ウェアラブルデバイスの活用例

ウェアラブルデバイスがPCやスマートフォンなどのデバイスと大きく異なる点は、手を使って明示的に操作をしなくても自然な操作で利用できる点と、センサーを使って身体の様々な情報を取得できる点です。この特徴を活かして次のような活用が期待されています。(図2)

  • 健康管理
    身体に身につけるデバイスによって健康状態をモニタリングし、運動が不足していれば適度な運動を促すなど健康増進に役立てる。特に機械が苦手な高齢者に身に付けてもらい、家族が離れていても健康状態を確認できる。
  • 警察・消防などの事件現場
    メガネ型のデバイスを使うことで、手がふさがっている状況でもメガネのディスプレイで建物の地図を見ることができる。また、個々のメンバーが見ている光景をリアルタイムにリーダーが把握し、的確な指示を出すことができる。

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図2.ウェアラブルデバイスの活用例

ウェアラブルデバイスの今後

ウェアラブルデバイスによって、デバイスを持ち歩かなくても身に付けるだけでセンサーデータを収集できたり、手がふさがっている状況でも声だけで操作できたりするなど、今までにない体験ができるようになってきています。ただし、実用化が進むにつれて、プライバシーの問題や人体への影響といった課題も取りざたされているのが現状です。

今後、このような課題の解決に取り組むと共に、より小型・軽量化し、身に着けていることすら意識をしないように進化していくでしょう。そうなればスマートフォンのようなデバイスを持ち歩く代わりに、ウェアラブルデバイスを身に付けて歩くようになるかもしれません。あなたの生活を大きく変えてしまう可能性を持つウェアラブルデバイスから今後も目が離せません。

2013年8月

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