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2013年07月01日

ものづくりに革命を起こす!
3Dプリンター

3Dプリンターとは

皆さんはプリンターをお持ちでしょうか。多くの方は紙に印刷をするプリンターをお持ちかと思います。しかし現在、平面ではなく立体物を作ることができる3Dプリンターが注目を集めています。

3Dプリンターは、CADや3Dスキャナーなどで作成された設計データや3Dグラフィックスといった3Dデータを読み込み、データ通りに素材を何層にも重ねることによって立体物を作る仕組みになっています(図1)。素材には、金属の粉や溶けた樹脂などがあります。素材の種類も次第に豊富になってきており、作成できるものも増えています。

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図1.ノズルから素材を押し出す方式の3Dプリンター

なぜ今3Dプリンターが注目されているのか

実は3Dプリンターは25年ほど前から存在していました。それにも関わらず現在注目を集めている大きな要因として、3Dプリンターが安くなったことがあります。今までは1台あたり数千万円と高価であり、一部の企業や専門家しか導入できませんでしたが、最近では数十万円、もしくはより安価な家庭用3Dプリンターが発売されています。
3Dデータの活用が進んだことも、注目の背景にあります。昔は3Dデータを扱いたくても、それを扱うCADが高価だったため、一部の人しか利用できませんでした。しかし、現在は無料で使えるCADがあり、個人でも3Dデータを扱えるようになったのです。

どのような場面で活用できる?

3Dプリンターの代表的な活用方法として、試作品・模型の作成があり、様々な業界で活用できます。各業界で3Dプリンターが使える場面の例をご紹介します。

  • 建築業界
    建物の完成予想模型を素早く作成できることから、活用が進んでいます。模型があると完成した建造物のイメージが湧きやすく、文章のみ、もしくは2次元の紙に描かれた設計図のみを見ながら意見交換をするよりも、設計内容の改良・修正をスムーズに進めることができます。
  • 製造業界
    試作品や模型の作成はもちろん、製品の部品まで作成する企業が出てきています。特に、たくさんの種類の製品を、ある短期間のみ取り扱う場面で効果的です。本来であれば製造ラインを変えたり、部品ごとに型を作成したりするためにコストがかかります。3Dプリンターを使うことでこれらのコストが削減され、製品が出来上がるまでの時間も短縮されるというメリットがあります。

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図2.製品の部品を3Dプリンターで作成する企業もあります

その他にも、食品業界ではパウダー状の材料から作られる栄養バランスの良い食品、服飾業界では複雑なデザインの服や装飾品など、3Dプリンターの活用は様々な業界で始まっています。
使用する3Dプリンターによっては、作成された物質の強度や品質が、従来の製造工程で作られたものより劣ることがあるものの、今後、3Dプリンターの活躍の場がどのように広がっていくのか、大いに注目したいところです。

最近は3Dプリンターを使ったワークショップも開催されているようです。皆さんも機会があれば、足を運んでみてはいかがでしょうか。

2013年7月

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