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2022年01月01日

メタバース
~未来におけるもう一つの世界!?~

最近よく聞くメタバース

最近ネット界隈で「メタバース」というワードをよく見かけます。メタバースとは、メタ(超)とユニバース(宇宙)を組み合わせた造語です。Facebook社が事業方針を「メタバース」中心に移行するため、社名を変更したニュースでこの言葉を聞いたという人がいるかもしれません。もしくは、10年以上前に注目を集めた仮想世界のサービスを楽しんだ人や、現在ではVRデバイスを使ってコミュニケーションを楽しんでいる人など、そのキーワードに対する捉え方は人それぞれだと思います。
そこで、今回の「これからはコレ!」では、この「メタバース」について解説したいと思います。

メタバースとは

メタバースとは、もともとはSF小説「スノウ・クラッシュ」(著:ニール・スティーヴンスン)に出てくる仮想世界のサービス名であり、現在はオンライン上に構築される仮想世界全般を指します。(図1参照)

メタバースのイメージ
図1:メタバースのイメージ

この仮想世界は、多くの人がアバターと呼ばれる自分の分身となるキャラクターで接続し、コミュニケーションや経済活動など社会生活を楽しむ場となります。と、ここまで書くとMMORPG(Massively Multiplayer Online Role-Playing Game:大規模多人数同時参加型オンラインRPG)などのオンラインゲームを思い浮かべる方も出てくるかもしれません。これらとメタバースとの違いの1つは、その仮想世界を構築している主体がどこにあるのかという点です。現存する多くのオンラインのゲームやサービスは、一般的にその提供元が仮想世界を構築し、ユーザーはその与えられた仮想世界の中で楽しみます。一方メタバースでは、ユーザー自身がもの(ものと言ってもデジタルな世界でのものを指す)を作り、それを流通させることで、仮想世界を拡張させることができると言われています。
以下にメタバースを使って実現されている例を紹介します。(図2参照)

【メタバースの一例】
  • 3DCGのコンテンツ(アバターやエモート(ジェスチャーやダンス)、土地や建物、衣装など)を作ったり、それを流通/売買したりすることができる
  • オンラインゲームの世界の中でコンサートなど、本来そのサービスが持つ主目的とは異なる使い方ができる
  • VRデバイスを通して仮想世界に入りコミュニケーションや仕事(プログラミング、会議、記事執筆など)をする

メタバースの一例(仮想世界で行われる会議)
図2:メタバースの一例(仮想世界で行われる会議)

メタバースの現状と今後

現状メタバースという言葉は概念的なところが先行しており、地球規模の仮想世界はもちろん存在せず、それぞれのプラットフォーム/サービス内でのみ拡張可能な仮想世界になっています。さらにゲームから携わっている人、コミュニケーションから携わっている人、VR(Virtual Reality:仮想現実)から携わっている人など、そこに登場する人の様々な背景によって、「メタバース」が指し示す定義、それが目指す方向性がバラバラで、まさにバズワードの状態になっています。
メタバースもいずれは、現在のインターネットのように、それぞれのメタバースプラットフォーム/サービスが相互に乗り入れ可能になり、自分のアバターで他の仮想世界を行き来するといった、それこそ現実世界と対となるような世界規模の仮想世界が登場するかもしれません。まず、今できることを実際に体験してみて、未来に想像を膨らませてみるのもよいのではないでしょうか。

2022年1月

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