社長通信 社長・瀬川文宏が気になること、考えさせられたことを綴ります。

2018年01月01日

計画と実行 どちらが重要?

犬駆ける

新年あけましておめでとうございます。本年は戌年ですが、戌の字は「滅」に繋がります。それは滅びや朽ちるという意味ではなく、「新しい命を守る、次の(亥)に命の種と力を委ねる」という意味があるそうです。これまでの慣習や技術が新たなデジタルイノベーションへ変革しようとし、翌年に元号も新たに変わろうとしているこの戌年は、まさに日本の新たな飛躍への夜明け前の年となりそうな予感がします。
当社にとっても本年は新たな中期3カ年経営計画「Get Trust! 2020」がスタートする節目の年であります。昨年から練り上げてきたものなので、それに基づく初年度計画は何としても達成したいと思っていますが、計画とはなかなか予定通りにはいかないものです。ということで、今回は計画について取り上げてみます。

計画といっても色々なものがあり、中・長期の経営計画もあれば、単年度予算の様にヒト・モノ・カネの計画もありますし、投資案件の実行計画やITサービス導入におけるプロジェクト計画もあります。どのようなタイプでも上手くいくものもあれば、計画倒れとなるものも多くあります。でも完全に計画通りに遂行できるものは、まずないでしょう。成功した計画は、最後までやりきったから成功したと言っているだけで、計画の変更や修正はあったはずです。言い換えれば、計画に変更は付きものであり、それをどれだけ想定した計画(Contingency Plan:不測事態への対応策)を立てられるか、が重要という事になります。想定外という言葉は計画が甘い事の裏返しではありますが、一方で完璧に遂行できた計画など私は見たことがありません。それでも計画の品質が、プロジェクト品質を決めるといっても過言ではなく、精度の高い計画が重要であることは議論の余地はないですね。

また計画を立てても実行が伴わなければ「絵に描いた餅」となり、成果が得られません。実行可能な計画である事がとても大切です。大きくは計画自体に無理がないか(日程やリソース)、実行力に問題が無いかということが肝心なのですが、この実行力をチェックする事に、私は力点を置いています。実行力の要素としてはリソース(ヒト、モノ、カネ)、プロジェクトマネジメントが主なのですが、それと同等に大切なのが実行チームへの動機付け(成功させようとする意欲)だと考えています。実行チームの士気が高ければ計画の実行力は自ずと高くなるものです。社員一人一人の活動計画が経営計画と連動し、それが自己の評価・成長に繋がると自覚するような企業風土にしたいと切望しています。それを促進するために社員と少人数で対話をする機会を多く持ち、会社方針と個人の成長の機会が連動していることを話し続けているところです。

計画の管理に話を戻しますが、実行要素が計画通りに進んでいるかをチェックする頻度は、現場ではDaily、マネジメントはWeekly、そしてスポンサーエグゼクティブは、少なくともMonthlyでというのが一般的な運営ですね。そして各要素に計画と実行でGapが出てくるのは想定内の事なので、速やかにGap分析を行い軌道修正をかける、そのためにContingency Costは必要だと思っています。計画に変更はつきものでGapが大きくなる事はままありますが、それでも軌道修正を繰り返し最後までやりきれば、それは少なくとも失敗ではないのです。 一方で、計画に無理があるなど、軌道修正に伴う追加コストに対して、見合う成果がなければ、その時点で実行を中止する事も大切です。成功や失敗とは、最後までやったかどうかではなく、投入コストと成果のROIで判断するものであり、途中で勝算がなくなった場合は中止する勇気も重要であると思います。

さて計画と実行はどちらが重要か、という冒頭の問いですが、結局のところ「PDCAをこまめに廻して精度を上げていくこと」が重要、ということになるのではないでしょうか。
それこそが失敗しない秘訣だと思っています。

2018年1月

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