社長通信 社長・瀬川文宏が気になること、考えさせられたことを綴ります。

2018年02月01日

お客様の信頼を得るには
~その① お客様を理解する:目線、観察、確認~

信頼

2018年は当社にとって新たな中期3ヶ年経営計画『Get Trust!2020』の初年度となり、新たに身を引き締めてキックオフを行いました。この中期計画は長期経営ビジョン『Be a Trusted Partner』の第1ステップとして顧客基盤強化の足固めの3ヶ年と位置づけています。

コベルコシステムは神戸製鋼グループのIT機能分担会社として、外販でもSIベンダーとして一定のご評価をお客様からいただいておりますが、激動するデジタル社会において当社が持続的に成長するためには現状に安住せずに更なる変革が必要です。それは奇抜な妙手ではなく、お客様との信頼関係をさらに深め、パートナーとして末永くお付き合いし、共に成長しよう、という基本に立ち返ったものです。成長戦略の軸足を新技術ではなく、お客様のビジネス変革への貢献に置きました。変革と言いながらお客様との信頼関係をさらに深めるという事ならCS活動と同じで従来と何も変わらないのでは、という意見も出る懸念があるので、「ベンダーやサプライヤーとパートナーでは信頼関係のレベルが違うんだ」、という事を経営陣から本部長、ミドルマネジメントを通じて全社員に徹底して言い続けています。

レベルの違いとはお客様との関係が、これまでの発注者とベンダーという「主従関係」ではなく、夫婦関係のように「対等なパートナーシップ」という一段高いレベルを目指すということです。言われたことに従う、という現状から言われた意味を理解し、必要に応じ要求事項を修正した逆提案をといった、時には耳の痛いことを言ったりできる関係ですね。このような関係は、お客様からこれまで以上に高い信頼を得なければ実現できるものではありません。だから「もっと自分自身が変革して信頼を勝ち得ようよ」、という事で『Get Trust!2020』はそれをシンプルにメッセージしたスローガンなのです。

ではどうやって信頼を勝ち得るかという事になりますが、私はこれを

①お客様を理解する
②自分を磨く
③ゴールの共有と実現

という3つの要素に分けて人材育成したいと考えています。
すこし前置きが長くなりましたが今月のコラムは、「その① お客様を理解する」、に焦点を当てることにします。

当社は企業間取引(Business to Business)そして基幹業務のITサービスが事業主体なのでお客様を理解するには、まずはお客様の業界や業務知識、お客様固有のIT環境やビジネスの背景などを大きく捉えることが前提となります。その上での事になりますが、お客様との会話で議論の目線が常に合っている事が大切です。頭の回転の速いお客様であればあるほど話題や視点が飛ぶので、それについていけるかどうかという事です。このためには目線を全体感が把握できる鳥の眼にも、現場の臨場感を感じられる虫の眼にも合わせる柔軟性が必要となります。そしてどの位置の、どの高さの話題か理解して反応すれば、お客様は自分の言っていることをちゃんと解っているという信頼感が生じます。
2のn乗で考えましょう。プラスに向かっては通常の目線から鳥の目線でみた地表、それからさらには衛星から見た地球、さらには太陽系、銀河系…といった宇宙的な全体感。一方でマイナスに向かっては虫の眼でみた地表、さらには体内に入っての細胞、そして分子、原子…といったミクロの世界へ。こういった映像をIBMの天城エグゼクティブ研修にて30年ほど前に見た記憶がありますが、視点のダイナミックな広がりが柔軟な思考を呼び起すことを示唆していたのだと思います。

目線の次は観察です。お客様の行動を観察してパターンを把握する、そして継続して観察することで変化に気付く、その変化をお客様に確認することで相互理解が深まる、という構図です。これはCS教育でもよく題材にされていますね。

そして最後はお客様の意図の確認です。お客様の要求された事をそのまま承るのではなく、意図の本質は何か、上位概念まで追及してゴールの仮説を設定し、それをお客様に確認し合意するという事です。これができればパートナー関係は構築できたも同然です。とはいえ、ここまでのレベルにはなかなか到達できるものではありませんので、集合研修やOJT、タウンミーティングなどを通じて人材教育に投資していくつもりです。デザイン思考のメソッドも目線、観察、確認というプロセスがあるので教育プログラムに活用することを計画しています。

少し長くなりましたので今月はここまでにさせていただきます。来月は「②自分を磨く」について述べたいと思います。

2018年2月

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