2010年10月01日
Webやスマートフォンのプログラムを手軽に開発!
軽量プログラミング言語
プログラミング言語とは
私たちの身の回りには、PCやスマートフォンなどの携帯端末、ゲーム機器など、多くのコンピュータが存在しています。これらのコンピュータ上で動作するシステムは、プログラミング言語(以下、言語)を用いて作成されています(図1参照)。
図1.プログラミングのイメージ
言語にはCOBOL、C、Javaなど数多くの種類が存在し、システム開発で使用される言語は、言語の特徴やプログラムを動作させる環境、開発者のスキルなどを考慮した上で選択されています。
近年、開発者に注目されている言語の分類として「軽量プログラミング言語(以下、軽量言語)」があります。軽量言語には以下の特徴を持つ言語が含まれます。
- すばやく実行・開発できる
- 機能が豊富である
- 環境構築が容易である
- プラットフォームに依存せずに動作する
軽量プログラミング言語のメリット
軽量言語は、開発生産性が向上する点と仕様変更に柔軟に対応できるという点の2つのメリットがあります。
■開発生産性の向上
システム開発において、お客様のニーズに素早く対応することが求められており、そのためにプログラムの開発生産性を高める必要があります。
軽量言語では、作成したプログラムに対して、コンパイルを行うことなく動作させることができます。そのため、軽量言語でのプログラムの開発は、処理全体を記述した上で動作確認するのではなく、1文ごとの処理を記述し動作を確認することができます。
これにより、より短い単位で、プログラムの作成と動作確認を繰り返すことができるため、プログラムの記述ミスやバグなどの早期発見につながり、プログラムの開発生産性が向上すると言えます(図2参照)。
図2.軽量言語の動作イメージ
■仕様変更に柔軟に対応
軽量言語は、変数を用意する方法として動的型付けを採用しています(表1参照)。動的型付けの利点は、渡されるデータの型の変化などの仕様変更に柔軟に対応できることです。
方法 | 説明 |
---|---|
静的型付け | 変数を用意する際、明示的に文字や整数などの変数の型を指定する。 |
動的型付け | 変数を用意するだけで、プログラム動作時に動作環境が変数の型を動的に判別する。 |
例えば、プログラム間でデータを受け渡す場合、データを渡す側のプログラムの仕様変更により、渡されるデータの型が整数型から文字型に変化すると以下の違いがあります(図3参照)。
- 静的型付け:データを受け取る変数の型を変更に合わせて修正する必要がある
- 動的型付け:渡されるデータの型が変化してもプログラムを変更せずに対応することができる
図3.軽量言語の動作イメージ
軽量プログラミング言語の利用
軽量言語は今日様々な場面で利用されていますが、以下に挙げた理由から、特にWeb上で動作するプログラムを作成するのに向いていると言えます。
- 軽量言語で作成したプログラムをサポートするレンタルサーバ、PaaSなどが増えている(※PaaSについては巻末のリンクを参照)
- インターネットを介した他のプログラムとの連携(Webサービス)や、Webページの操作性を向上させるAjaxを組み込んだプログラムなどを容易に作成するための開発フレームワークやライブラリの提供が活発である(※Webサービス、Ajaxについては巻末のリンクを参照)
- Webサイトや書籍など、軽量言語を学習するために必要な情報が十分に存在している
インターネットの利用はすでに企業活動の一部となっていることから、今後もWeb上で動作するプログラムの作成に軽量言語が選択される機会が増えると考えられます。
また最近、軽量言語で作成したプログラムをスマートフォン上で動作させる環境や、スマートフォン上で軽量言語のプログラムを作成できる環境が提供されてきています。このことから、今後はPCに限らず、スマートフォンなど様々なコンピュータを対象としたシステム開発に軽量言語が選択されることでしょう。
コベルコシステムでは、お客様に最適なプログラミング言語などの技術を選択できるよう、最善のソリューションをお客様に提供していきます。
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