2015年08月01日
「シングルボードコンピュータ」で遊びながら学ぼう!
「シングルボードコンピュータ」とは
以前、IoTを活用したマイコン(マイクロコントローラ)を利用して情報収集を行い、予測分析をするコラムを紹介しました(2014年7月 ビッグデータの予測分析に「マイコン」!?)。このマイコンや入出力装置を基板に取り付けた「ワンボードマイコン」と呼ばれる製品が、主に評価用や組込系のシステム開発用に用いられています。近年では、「プログラムが行える」「入出力インターフェースを利用可能」などの特徴はほとんど同じですが、別の用途向けに、以下の機能を備えた「シングルボードコンピュータ」と呼ばれるカテゴリの製品が出てきています。
- 主にLinux系のOSを採用してRubyなどの軽量プログラミング言語を利用できる
- PC向けOSのようにGUI画面で操作できる
- 汎用入出力機能を備え、センサー・デバイスを利用し制御やデータの取得が行える
このシングルボードコンピュータを教育用コンピュータとして利用し、温度センサーと組み合わせて温度計を作成したり、条件により特定の動作を行わせるプログラムと組み合わせてロボットを動かすなど、電子工作・プログラミングの学習が広まっています。最近では、このシングルボードコンピュータを用いて学習を行うツールが安価に提供され始めたことで、子供向けから大人向けまで、多方面から注目を集めています。
図. 「シングルボードコンピュータ」を用いた電子工作の利用例
シングルボードコンピュータを用いた学習のメリット
まず、前述のプログラミング学習に必要な環境を安価に用意できます。次に、カメラやセンサーとつなげた装置やロボットなどを作成する電子工作や、それらを動かすためのプログラミングを、子供でも遊び感覚で楽しみながら行えるほど、容易に取り扱える点が挙げられます。
近年では、子供や学生向けにこのシングルボードコンピュータを用いた学習を採用している学校もあります。大人と子供が親子で楽しみながら夏休みの自由研究を行ったり、プログラミングの学習などIT関連の勉強・理解を進めるための場を無料で提供しているグループも存在し、気軽に家族で参加出来る機会が増えつつあります。
シングルボードコンピュータ、今後の展望
最近のニュースを挙げると、Microsoft社が今年度に販売するWindows10 をこれらのシングルボードコンピュータ製品向けにも提供すると発表しています。今までのシングルボードコンピュータではLinuxを利用した環境が多かったのですが、普段使い慣れているWindows環境を利用出来ることと、その環境下でプログラミングツールを用いて学習が行えることで、今後利用の幅が広がり、よりチャレンジしやすくなると考えられます。
長期休みを利用して家族でシングルボードコンピュータを用いた電子工作やプログラミングを学習してみてはいかがでしょうか?子供の自由な発想でおもしろいロボットが生まれるかもしれません。
2015年8月
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