2015年05月01日
あの大学の授業を受けられる!
~MOOC~
MOOC(Massive Open Online Courses)とは
Massive Open Online Courses(MOOC:ムーク/MOOCs:ムークス)とはインターネット上に公開された講座であり、誰もが大学の講義を受講できるサービスのことです。MOOCでは、大学がMOOCの運営者に講座を提供し、MOOCの運営者が講座を公開する環境(受講者の管理、ウェブページやメール配信などの仕組み)を用意します。利用者は公開された講座の中から好きな講座を選ぶことができ、その多くは無償で受講できます。
図. MOOCの仕組み
MOOCのメリット
受講者のメリットは、無償で様々な講座を受講できることです。実用英会話などの実践的な講座から、ビッグデータまで、ジャンルを問わず様々な講座を選ぶことができます。一般的なEラーニングでは見かけないような専門的な講座も多く見受けられます。
講座の内容を理解するために、繰り返し受講することはもちろん可能ですが、そのほかにも受講者の理解をより深める工夫がなされています。教材となる動画は短い時間に区切られ、集中して受講できるようになっているほか、講座の途中や最後に理解度チェックが設けられるケースも多く、自らの理解度を確かめながら受講することが可能です。さらに、MOOCは個人で動画や資料を用いて学習するだけではなく、受講者同士で教えあう、あるいは教師に直接質問する場が設けられることもあり、より理解を深め、受講を促す工夫が行われています。どこでも学べるように専用のスマートフォンアプリを提供するMOOC運営者もいます。
講座を提供する大学にもメリットがあります。受講者の中から、優秀な学生を探すことができます。実際に、MOOCで学習していた人に入学をオファーし、入学につながったというケースもあります。また、講座を公開することで、大学の知名度やブランドを高めることができます。さらに、多くの受講者から得たフィードバックを活用し、より良い講座にできることもメリットです。
アメリカで始まったMOOCですが、日本でも広がりを見せています。日本語で講座を公開する日本国内のMOOCがある一方、海外のMOOCの中には字幕を付けるなどして、多言語対応しているMOOCもあります。日本の大学の中にも海外のMOOCで講座を公開する大学があり、国境を越えてMOOCの活用が行われています。
MOOCの今後
広がりをみせるMOOCですが、現状では課題もあります。MOOC運営者の多くは、収益を上げ、サービスを維持していく方法について試行錯誤を行っています。有料での受講証明書の発行や、受講者の受講履歴を基にした人材紹介にも取り組んでいます。また、MOOCを教材として利用する大学も現れる中「大学の役割は何か」という大学の存在意義に関わる議論も起こっています。
とはいえ、利用者にとっては大変便利なサービスです。何かを学びたいと思った時、学ぶ必要がある時にMOOCの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
2015年5月
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