これからは、コレ!旬なIT技術やこれから主流となりつつあるIT技術に関する情報をご紹介します。

2008年04月01日

情報の利用をもっと便利に!
セマンティックWeb

セマンティックWebとは

セマンティックWebとは、Webコンテンツやデータベースなど、いろいろな場所にある情報に意味を表すデータ(メタデータ)をつけて、ソフトウェアが情報の内容の意味を自分で解釈できるようにする技術です。検索・データ連携・システム連携・ナレッジマネジメントなど、多様な場面での利用が期待されています。

セマンティックWebの仕組み

セマンティックWebでは、データの意味をあらわすメタデータをXMLで表現します。メタデータを付与すると、そのデータの内容が何を表わすかをソフトウェアで解釈させることができます。
たとえば、Webページにコンサートなどのイベント情報があったとき、それを自分の使っているスケジュールソフトの予定へ加えたいとします。セマンティックWebに対応したページであれば、ページ内にある予定情報の各データの意味を、セマンティックWeb対応ブラウザなどのソフトウェア)が自動的に判断することができるので、自分の使っているスケジュールソフトへ自動的にコンサートの予定情報を取り込むことができます。


図1.セマンティックWebによるカレンダー連携の例

また、人の使う言葉は、さまざまな意味をもつ言葉があるので、ソフトウェアがコンテンツの内容の意味を正しく理解するためには専門の辞書が必要です。セマンティックWebで使う辞書をオントロジーと呼びます。この辞書を使うことで、セマンティックWebを使った検索では、現在主流のキーワードの組み合わせで質問する検索方法に比べ、より文脈や文意に沿った、的確な検索結果が得ることができるようになります。


図2.従来の検索とセマンティックWebでの検索

セマンティックWebの将来

セマンティックWebは、企業内でのシステム連携を簡単にする技術としても期待されています。システム連携を行う際に、システム間で異なるデータ形式を吸収するには、現状では人間が分析を行い、データを変換する仕組みを作らなくてはなりません。セマンティックWeb技術を応用すれば、異なるシステムのデータ形式を自動的に変換することができるようになり、システム統合が簡単に行えるようになると期待されています。
セマンティックWebの本格普及までには、これまで蓄積した膨大なコンテンツにどうやってメタデータを付与するかなど、課題はありますが、今後大変期待されている技術と言えるでしょう。

2008年4月

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