2018年02月01日
IoTで暮らしを繋ぎ、より良い生活を実現する
~コネクテッドホーム~
家庭向けとしてのIoT
Internet of Things(以下IoT)という言葉が流行り始めて早数年が経過しました。その中で、企業向けのIoTとしては、製造業を中心として「工場の見える化」や「製造業のサービス化」などを実現する基盤として活用が進んでいます。一方、家庭向けのIoTとしては、DIY(Do It Yourself)の流れに乗って、Raspberry Pi(図1)のような、自作した小型のPCやセンサーを使って自宅内の様々なモノをネットワークに繋げる「家庭向けIoT」や、家庭内のエネルギーの管理や最適化を実現する「スマートハウス」用の基盤として活用されてきました。
さらに家庭向けのIoTは広がりを見せており、その一つが「コネクテッドホーム」というキーワードで語られています。
図1.Raspberry Pi
コネクテッドホームとは
コネクテッドホームとは、家の内外のモノをネットワークで接続することで、人に合わせた家電の制御や不在時のセキュリティ対策の実現など、IoTによる、より良い暮らしを実現するための取り組みを指します(図2)。
図2.コネクテッドホーム
そもそも家庭におけるインターネットへの常時接続が一般化したころには、ネットワークにつながる家電も普及し始めていました。しかし、その制御方法はメーカー独自の形態がほとんどであるため、メーカーが同じならば家電を連動させることもできましたが、メーカーの異なる家電の場合はそれらを連動して制御するといったことは難しい状況にありました。
また、家庭の外から家電を遠隔操作することも安全性の観点から難しい時期もありました。その後、遠隔操作の制御に関しては省令が一部改正され(※1)、IoTやスマートフォンの普及に合わせて利用が促進されてきましたが、メーカー間の壁はいまだ残り続けているのが現状です。ただし、この壁についても近年、様々な業種・業態に所属する企業が集いアライアンス(複数の異業種企業が目的のために協力しあうこと)を組んで改善に乗り出しました。このことから、家庭内の様々なメーカーの家電を容易に連動させるコネクテッドホームが現実味を帯びてきました。
※1 電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈の一部改正について
http://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/kaishaku/gijutsukijunkaishaku/kaiseibun20130510.pdf
コネクテッドホームによる今後の暮らし
コネクテッドホームでは、2017年末に登場したAIスピーカー(※2)による音声制御や、スマートフォンによる遠隔地からの制御の実現によるユーザーへの新たな生活空間を提供しようとしています。これにより以下に挙げたような、より良い家庭生活を送れる日が訪れると思われます。
- スマートフォンからの家電の一括コントロールが実現でき、外出先からの戸締りや家族の帰宅状況の確認や、緊急時の即時対応なども可能となる
- 住人の行動をAIで学習することで、帰宅を予測し照明や空調のコントロールなど快適な生活を送るための準備を自動制御してくれる
近い未来、IoTで暮らしを繋ぎ、安心で安全で利便性の高い快適な家庭生活が実現されるでしょう。
まずは家にあるリモコンの所在を探し回るというところからは早々に解放されたいですね。
※2 時代を先取り?! AIスピーカー!
https://www.kobelcosys.co.jp/column/itwords/20171201/
2018年2月
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