毎月更新中!社長通信 社長・田野美雄が気になること、考えさせられたことを綴ります。

2018年08月01日

備えあれば憂いなし
~準備の大切さ(私、失敗しないので)~

Firework

8月に入りましたが、今年の夏はいつにも増して暑いですね。関西地方は地震と大雨で各地に被害が発生し、特にインフラや交通網に大きな影響が出ました。被災された地域の方々には謹んでお見舞いを申し上げます。震度6弱程度の都心部直下型地震は想定内であるはずですが、それでも混乱は発生しました。当社でも安否確認システムが正常稼働しなかったり、対策本部の運用プロセスに不備があったりして、今更お恥ずかしい限りですが今後の再発防止に活かせる点にいくつか気付いた次第です。でもこれにより、次に大地震が発生してもそれなりの危機管理対応はできる目途がついた感がします。そこで今回のテーマは準備の大切さについて取り上げる事にします。

まずは私自身の事になりますが立場上、社内外でご挨拶やプレゼンテーションの機会がそれなりにあります。今でこそ10分程度までの場合はリハーサルをしませんが、それでも話すネタと組立ての準備はしています。20分以上のプレゼンテーションの場合は資料の構成や内容について相応の準備をし、それが初めて説明するテーマの場合は今でもプレゼンテーションの練習やリハーサルをしています。

実は昨年の設立30周年式典の際、社員スタッフに見守られる中で4回もリハーサルをしました。緊張せずによくできますね、などと言われることもありますが、リハーサルをはじめとする準備がしっかりできていれば、多少は緊張していてもそれなりに手順が体に染みついているのでこなせているのだと思います。私が共感した一流のバイオリニストのコメントですが、「練習をやれるだけやったら緊張することはない、緊張は準備不足とその不安からくるものだ」ということです。「練習は裏切らない」というアスリートのコメントもありましたね。

こういったプレゼン・リハーサルの大切さは、私が日本IBMの営業時代に先輩から徹底的に教えられました。「自信を持って説明できるだけの準備をしてお客様に臨まないと受注はできない、それ以前にお客様を不安にさせるような失礼なことはしてはいけない」と。そう指導されていても自分が一人前になったつもりの時に、準備を怠って冷や汗をかいたことが何度かあります。そしてその都度、準備や練習の大切さを肝に銘じてきました。それが染みついているので当社においても、大切なお客様へのご提案説明に臨む場合は、私がリハーサルのレビューをして、営業やエンジニアのプレゼンに注文を付けたりもしています。彼らにとってはいい迷惑かもしれませんが、それでも少しは意気に感じてくれているのではないでしょうか。

私のもう一つ準備に関する事例は、コンサルタント時代のセッション(会議)に於けるファシリテーションについてのものです。利害関係のあるメンバーによって議論を集中的に捌くのにセッションは有効で、2時間から半日、1日、場合によっては1泊2日の合宿セッションなど様々な時間帯で行われていますが、ファシリテーションがうまくないと議論が空中戦になって収拾がつかず失敗に陥るケースがままあります。
このファシリテーションで失敗したことがない事が、実は私の小さな自慢です。この理由のネタばらしをすると簡単な事なのですが、セッションの時間を2時間なら15分単位程度に細かく分解し、各々の単位でInput/Process/Outputを設計し、Inputを準備・作成し、Processはセッションの進め方シナリオをイメージし、Outputは落とし所をいくつか設定してそちらに導くようにファシリテートする。つまりは、セッションにおいてプロジェクトと同じようにWBS(Work Breakdown Structure:作業分解構成図)を細かく計画して準備する。そして、それをウォークスルーで最後まで通るかシミュレーションするのですが、それができればまずは失敗しないと思います。

ドクターXが失敗しないのは、画面には出てきませんが恐らくは術前のシミュレーションができているからだと思います。似たような医療番組では、術前のシミュレーションを入念に実施しているシーンが見られますね。外科手術は、失敗されては患者が困りますので、こういった準備は現実においても徹底的になされて成功率を上げているのだと思います。

準備の大切さをここまで挙げてきましたが、準備をサボることは論外として、それでも失敗や不幸な事故が後を絶たないのは何故なのでしょうか。それは、「想定外」と「鈍麻」という陥りがちな罠のせいではないかと思います。想定外とは、想定の範囲が狭くてそれ以外の準備を怠っていたことに対する都合の良い言い訳に他なりません。鈍麻は、一度痛い目にあったにもかかわらず、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」で同じ過ちを犯すわけですが、これも時がたつにつれて再発防止の押さえや準備を怠ってしまった事が真因ではないでしょうか。そういった罠に陥らないようにすることが経営者の責任と自戒しているつもりではいますが、私も含めて人は弱く罠にかかりやすく、嵌っているかどうかも一人では見失いがちです。従って、複数名の経営チームで相互チェックすることも大切だと思います。

デジタル革命に突入していますが、後になってまさかこんな時代が来るとは思わなかった、あの時に手を打っておけば…といった想定外の後悔をしないように、いまやるべき準備は足元だけでなく、明日に向かってもしっかりやる必要があります。難しい時代ですね。いや、いつの時代もそうなのかもしれません。

2018年8月

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