毎月更新中!社長通信 社長・田野美雄が気になること、考えさせられたことを綴ります。

2018年07月01日

間合いを変える
~コミュニケーションとSocial Distance(社会的距離)~

Green Tea

今年も後半に入りましたね。このコラムの起草ネタを思案している最中に米朝会談が行われ、またFIFAワールドカップが開催されました。6月30日からはベスト16での決勝トーナメントです。さて日本はどうなっていますやら。

米朝会談をはじめ、政治におけるトップ会談をFace to Face(FtF)で行う事の重要性はデジタル社会の今日も変わっていません。また、サッカーのようなチームスポーツはITを駆使しデータ分析に基づく戦術が今日の流行ではありますが、一方でチームコミュニケーションの重要性は今も昔も変わっていません。ということで、今月は、お客様やパートナー企業、そして社内でのコミュニケーションについて考えてみます。

ビジネスにおいても社会生活を快適に過ごすうえでもコミュニケーションが重要であることは言うまでもありません。コミュニケーションの語源は「コミュニス」というらしく、(自分と対峙する相手と)「共通の」「共有する」「分かち合う」といった意味があるようです。そのコミュニケーションの手段はFtF以外にも手紙、電話、新聞、TVと発展し、さらにはITの進化によりEメールやSNSと様々なツールが出現してデジタル社会のコミュニケーションは多様化してきました。

ここでコミュニケーションのテクニックを語るつもりは毛頭なく、考えたいのはデジタル社会でのコミュニケーションです。トランプ大統領はツイッターをはじめとしたデジタルコミュニケーションを駆使していますが、一方でFtFでのトップ会談における駆け引きや間合いの取り方もさすがだと感じます。最初の1分で本気かどうか判る、とトランプ氏は米朝会談の前に述べていますが、アメリカ人のコミュニケーション能力の一片を表していると思います。

ITやAIなどで物理的距離や時間、言語の壁は低くなりコミュニケーションは取りやすくなりました。一方、これらが効果的に活用できるのはFtFでのコミュニケーションで信頼関係や互いの間合いが確認できている前提であることを忘れてはいけません。そうでなければ互いの主張を一方的に通達し合うだけで「分かち合う」レベルには至らないでしょう。

このFtFコミュニケーションに関して最近のニュースで感じた日本人が陥りやすい事が2点あります。1つはコミュニケーションをサボる事、もう1つは上の立場の人が間合いを間違えることです。
日本人は言わなくても伝わると思い意図を明示的に伝えない傾向があります。FtFだけではなくEメールにおいても然りです。間合いの取り方も硬直的で、キャッチボールをして適切な距離感を測ろうとする人は少ないと思います。意図が伝わったか、分かち合えたかを確認する手数の多さも間合いとともにコミュニケーションの重要な要素であると思いますが、日本人の場合、クドイことは嫌われるので遠慮しがちです。そして結果としてコミュニケーションが不足していた、となることが多いのですが、これは不足ではなくサボっているのではないでしょうか。

上の立場の人が間合いを間違える理由は、間合いは立場によって、人によって感じ方が違うのに自分と同じと思い込んでしまうからです。上の立場の人(上司や発注者、監督・コーチ、教師etc)が配下の人(部下、受注者、選手、学生・生徒etc)とコミュニケーションする時、下の人は指示・命令には従わざるを得ませんが、必ずしもそれは納得・共感しているわけではないのです。ここを上の人は勘違いして、自分の価値観が「分ち合えた」と思い込み自分が感じる間合いは下の人も同じと考えてしまう事が、パワハラやセクハラといったコンプライアンス違反につながっているように思えます。「そんなつもりでは…」「俺とお前の仲でどうして…」「コミュニケーションが不足していた…」等はその例であり、マネジメントの方々はこういった勘違いをしていないか自戒が必要ではないでしょうか。かく言う私自身も最近2、3度ハッとすることがあり、反省しているところです。

デジタル社会のコミュニケーションは便利になる一方であるが故になおさら、お客様や社員、パートナー様をはじめとするステークホルダとの間合いを確認し、必要に応じ間合いを変え、手数を増やし、丁寧なコミュニケーションを心がけたいものですね。とはいえ、コミュニケーション対象が多くなる上位マネジメントは個々に間合いを測ることが時間的に難しいので、サボるのではなくリスクを覚悟した上での割り切りも必要なのかもしれません。今も昔もコミュニケーションの取り方は百人百様ですね。

P.S.  余談ですが、この間という概念は人間がヒトの間と表現されるように、ヒトとヒトとが存在することで生じたものかもしれません。ほかにも、時間(時と時の間)、空間(モノとモノとの間)などがありますが人間や高等生物でコミュニケーションが成立する場合にのみこの概念が成立するのでしょうか。

2018年7月

ITの可能性が満載のメルマガを、お客様への想いと共にお届けします!

Kobelco Systems Letter を購読