これからは、コレ!旬なIT技術やこれから主流となりつつあるIT技術に関する情報をご紹介します。

2007年04月01日

使いたいときに使いたいだけ利用するソフトウェア
SaaS(Software as a Service)

SaaSとは

SaaS(Software as a Service)とは、直訳すると「サービスとしてのソフトウェア」です。従来のように利用者がソフトウェアをインストールして使うのではなく、インターネット経由で好きなときに好きなだけソフトウェアを利用する形態がSaaSなのです。

SaaSとASP(Application Service Provider)

従来、専門の業者が運用する企業の業務アプリケーションをインターネット経由で利用する形態をASP(Application Service Provider)と呼んでいました。SaaSは、ASPと基本的には同じような意味で、ASPの発展形と考えてよいでしょう。近年ネットワークやデータセンターの技術の成熟およびWeb技術の普及により、提供されるアプリケーションの実用度や柔軟性が高まった結果、SaaSは今後の発展が大きく期待されている新しいキーワードといえます。

SaaSと自社導入ソフトの違い

企業で利用する業務アプリケーションをSaaS使用の場合と自社でソフトウェアを導入した場合の比較が表1です。
SaaSの特徴としては、SaaSは「使った分だけ払う」というように、従量課金制となっており、契約さえすれば利用したいときにすぐにスピーディーに利用を開始できるのがメリットとなります。自社導入ソフトの場合は、ニーズに合わせてカスタムメードすることも、パッケージソフトを購入して導入することも可能ですが、利用開始までの準備期間にある程度の期間を要します。また、SaaSの場合、保守・メンテナンスに関しては、利用者は一切気にする必要はありませんが、大切なデータをサービス側に預けることになるため、セキュリティ基準やサービスレベルを満たすよう契約を締結する必要があります。
それに対して、自社導入の場合は、自社内でシステムの保守・メンテナンスを行いますので、データも自社内で責任を持って管理することになります。

■表1.SaaSと自社導入ソフトの比較
SaaS 自社導入ソフト
費用 おもに従量課金(利用時間や人数) 初期導入費用(ハードウェア、設計・開発費用)、
保守メンテナンス費用など
機能 あらかじめ用意された機能を選択する カスタムメード:ニーズに合わせて自由に設計・拡張可能
パッケージ:提供される機能を利用する、拡張も可能
保守・メンテナンス 意識しないでよい 定期的に行う
データ 全てサービス側に預ける 自社のシステム内で管理

SaaSへの期待

表計算やワープロなどのオフィスアプリケーション、SFA(Sales Force Automation:営業支援アプリケーション)など、さまざまな業務アプリケーションがSaaSとして提供されるようになってきました。最近のSaaSへの期待としては、以下のような事柄があります。

費用の削減

SaaSを使うことにより、ソフトウェアのライセンス費用や導入・運用コストの削減が期待できます。

リッチなユーザインタフェース

Webブラウザ上でも、専用クライアントのように操作しやすいインタフェースが提供されることが期待されます。

ユーザーの用途にあったカスタマイズ

従来のASPでは、固定的な機能のアプリケーションが提供されることが多かったのですが、最近のSaaSでは、業務アプリケーションの機能面でも柔軟性が増し、ユーザーのニーズに合わせて機能を選択することや、カスタマイズを行うことが可能になってきています。

他のWebサービスとの連携

例えば、ブラウザ上で、自社の顧客の所在地を別のサービスである地図提供サービスと重ね合わせて表示するなど、他のサービスとの連携が容易になってきました。

スケーラビリティに関する柔軟性

SaaSを提供するサーバーは負荷分散への柔軟性を備えて運用されている場合が多く、利用者の増大などの理由で、負荷が一時的に増大した場合でも、利用者はそれに応じた契約に移行することで、サービス提供者側は柔軟に対応することができます。

以上のように今後SaaSは期待度の高い業務アプリケーションの利用形態と言えます。

2007年4月

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