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2007年06月01日

Webに新たな価値を産み出す「マッシュアップ」

マッシュアップ(MashUp)とは

「マッシュアップ」という言葉は、音楽用語からきています。DJが2つ以上の曲を混ぜ合わせて、一つの新しい曲を作ることを意味しています。IT用語としてのマッシュアップは、複数の異なるサービスを組み合わせて新しいサービスを創りだすことです。つまり、マッシュアップは、無から生み出すのではなく、有と有を掛け合わせて、元のサービスを作った人ですら思いもよらなかった新たなサービスを生み出し、価値を創造することです。
マッシュアップに使われる元のサービスの例として、地図サービスや各種検索サービス、写真・ニュース表示などのサービスを各社が提供しています。

手軽に作れる魅力

今まで、思いついたサービスを個人で作ろうと思っても、環境の整備、データの用意、プログラムの実装などいろいろなところで手間がかかって、途中で諦めてしまうことが多かったのではないでしょうか。
しかし、マッシュアップという新しい手法の登場によって一昔前では考えられなかった環境が整いつつあります。多くのサービス系のサイトでは自身の宝ともいえるデータを惜しみなく公開し、自由にアクセスできるためのサービスを提供し始めています。サービスが用意されていて、それを利用するための技術も標準化されてきているため、ゼロから作る必要はなくなったのです。
つまり、複数の情報源から提供されるコンテンツを自在に組み合わせて、独自のアイデアを加えることで今までより比較的に短時間で、簡単に多彩なサービスを作成できるのがマッシュアップの最大の魅力です。

実用例

マッシュアップといえば、「グーグル・マップ」が有名です。さらに、幅広い分野のデータやサービスが公開されるにつれて、様々なマッシュアップサイトが誕生してきました。例えば、出発地と目的地を設定すれば、交通経路案内や目的地周辺の宿泊施設、飲食店などが表示される地図サービス、キーワードを入力し、検索エンジンやジャンルを選択すれば、ニーズに応える検索結果が表示される検索サービスなどがあります。

マッシュアップの例

マッシュアップの今後

いまや、マッシュアップ可能なサービスやコンテンツはものすごい勢いで増え続けており、Web上に氾濫しています。そして、マッシュアップの可能性として注目を集めているのが、企業アプリケーションへの導入です。
一般的に企業で外部のサービスを利用するためには、使用する外部のサービスは常に安定して提供されるか、どのようなセキュリティリスクがあるかなど、さまざまな考慮点をクリアする必要があります。Web 2.0の中核技術とまで言われたマッシュアップが、これらの考慮点をクリアして企業アプリケーションで基幹技術として発達していくのか、一般消費者向けの過渡技術として別の物に変わっていくのか、その将来が見えるまでには、もう少し時間がかかりそうです。
一般消費者向けのWebサイトが中心で発達してきたマッシュアップは、企業の業務システムの開発にも間違いなく有用なもので、今後どのような形で発展していくかは見えていませんが、重要度を増していくものであると考えています。

2007年6月

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