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2007年07月01日

データのフォーマットが変更されても安心の次世代データベース XML-DB

XML-DBとは

企業で利用されている、基幹系、情報系などのコンピューターシステムのデータ保存には必ずといって良いほどデータベースを使用しています。これらのデータの保存に主に利用されているのはリレーショナルデータベース(以降RDB)と呼ばれるソフトウェアで、データを表形式のようなイメージで保存します。(図1)
最近注目を浴びているXML(※)データベース(以降XML-DB)と呼ばれるデータベースがあります。このXML-DBはデータをツリー状のイメージで表現するXML形式でデータを保存します。(図2)
RDBはデータを表形式で扱うため構造の変化が少ない定型的なデータを表現するに向き、一方XML-DBはデータをツリー状の形式で扱うため構造がよく変化する非定型なデータを表現するのに向いているといえます。

※XML(eXtended Markup Language)とはデータの意味や構造を記述するための表現形式で、図2にあるようなツリー状の階層構造をしています。 RSSによる当社の新着情報の配信も、配信データはXML形式になっていますのでXMLは非常に身近な存在ともいえます。

表形式のデータとツリー状のデータ

XML-DBの特徴

XML-DBの特徴を非常に簡単な例で紹介します。ボールペンの製品情報を管理しているデータベースがあるとします。(図3)
今まで単色のみだった製品に新製品として1本で3色使えるボールペンが追加されます。RDBの場合、追加となる色情報の管理のためデータベースの構造の変更が必要となり、データベースはもちろん関連するデータを扱うプログラムの修正が発生します。(図4)RDBですと色が4色、5色と増えていくとその都度対応しなければいけない手間が発生します。一方、XML-DBの場合(図5)、色情報の追加はツリーにデータを追加するのみで、構造の変化はデータベース側で自動的に対応し、プログラムの修正も最小限で済みます。(図6)

XML DBの特徴

XML-DBの種類とその特徴

XML-DBは大きく次の3タイプに分類できます。

■XML-DBの種類とその特徴
XML-DBの種類 特徴
ネィティブ型 XMLデータのみを扱えるXML-DB。
RDB機能追加型 既存のRDBにXMLデータを扱えるように機能拡張したもの。
XMLデータはRDBの表形式に変換したり、または埋め込んだりするので効率がやや落ちるケースがある。
ハイブリッド型 RDBとネィティブ型XML-DBの両方の機能を備えるもの。
XMLデータは変換を必要とせずデータベース内に保存されるので処理効率が良い。またRDBとしても使えるので既存データからの移行も容易。

XML-DBのこれから

XML-DBは保存するデータ構造が柔軟に対応できることから、多品種でライフサイクルが短く移り変わりの激しいデータを扱うのに適しています。また企業間取引で取り扱うデータをXMLデータで扱うケースも多くなってきています。RDBだとデータを表形式に変換する作業が必要になりますが、XML-DBだと変換なしに直接データベースに保存することができパフォーマンスやメンテナンス性の向上が期待できます。RDBは歴史も長く、データベースが備えるべきスケーラビリティ、パフォーマンス、セキュリティなど機能も充実して信頼性もあり企業の基幹システムに多数利用されています。上記のハイブリッド型や、RDB機能追加型のXML-DBはこのようなRDBの歴史ある機能、信頼性を継承している製品が多数あります。当社ではさまざまなデータベース利用技術を活用し、お客様のご要望に応じたソリューションを提供してまいります。

2007年7月

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