2025年06月30日
進化するアプリ開発「バイブコーディング」とは?
~生成AIと対話しながら進める新しい開発スタイル~
近年、AIの技術革新がソフトウェア開発の生産性の向上を可能にしており、生成AIを活用したバイブコーディングと呼ばれる開発手法が普及し始めています。バイブコーディングでは、プログラミングコードを書く作業の大半を生成AIに自然言語で指示を出すことでコードを生成し、アプリケーションを構築していきます。

バイブコーディングとは
バイブコーディングは、明確な設計書や詳細な仕様をもとに、開発者が自分でコードを書くのではなく、生成AIの大規模言語モデル(LLM)へプロンプト(自然言語による指示)を与えることにより、コードを書いたり修正したりする手法です。バイブコーディングという言葉は、2025年2月にAI研究者の Andrej Karpathyにより提唱され、開発者や開発チームはコードの詳細を意識するのではなく、音楽のジャムセッションのように感覚やノリ(Vibe)を重視してコードを書く(Coding)ことより、バイブコーディング(Vibe Coding)と呼ばれるようになりました。バイブコーディングの特徴
バイブコーディングは、アイデアを素早く形にしてコードを動かし、早期にフィードバックを得たい場合に有効です。特に新たに創出したアイデアをもとに、アプリケーションを開発する、プロトタイピングのように、アイデアを迅速に具現化するために、まずは動くアプリケーションを作って検証するアプローチと相性が良いと考えられます。■ソフトウェア開発の容易性
バイブコーディングは、自然言語でアイデアを伝えるだけでコードを生成して動かすことができるため、プログラミングの専門知識がない人でも、容易にソフトウェア開発に取り組むことができます。
■開発生産性の向上
定型的なコード生成、デバッグ支援といった反復的なタスクを自動化することで、開発者はユーザー体験の向上、より複雑な問題解決、また、創造的な仕事に集中することができます。
■柔軟性の高さ
計画に縛られず、開発途中で新しいアイデアや変更を容易に取り入れることができます。
■創造性の促進
開発者の新たな発想や実験的な試みが容易になるため、型にはまらないユニークな発想を形にすることができる可能性があります。
■学習と適応
新しい言語やフレームワークを学ぶ際にも、AIが即座にサンプルコードや説明を提供することで、理解が促進され、より実践的な知識やスキルを習得することができます。
企業のシステム開発への応用
企業の基幹システムや大規模システム構築においては、高い信頼性と安定性が求められます。バイブコーディングは、個人での開発においてはその自由度と速度が魅力ですが、企業システムに応用する場合は、コード品質の担保、セキュリティリスクへの対応、メンテナンス性の確保、技術的負債の蓄積、開発者のスキルギャップ、そしてハルシネーションなどAIの能力の限界に関する課題に対して、慎重なアプローチが求められます。今後の展望
将来の技術進化により、バイブコーディングを支援するツールや手法が発展することでバイブコーディングが持つリスクを軽減し、そのメリットがさらに引き出される可能性を秘めています。コベルコシステムでは、生成AIを活用しシステム構築の生産性を高める取り組みを実施していきます。
2025年7月
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