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2018年05月01日

より高速に、より多様な場所で、2020年から通信が進化する
~5G:第5世代移動通信システム~

「第5世代移動通信システム(5G)」とは

現在、スマートフォン等を用いて、音楽や動画の視聴や、ソーシャルゲームのプレイなど身近な生活の中で多くの通信を行い、日々の生活を楽しまれている方が多いと思います。これらの通信に利用されているネットワーク(移動通信システム)は、2018年時点で4G(LTE)の第4世代の通信技術が用いられていますが、より進化した通信技術として、2020年には、現行の通信利用以外にもIoT活用へ期待が持たれる第5世代移動通信システム(5G)が登場しようとしています。
今回はこの5Gがもたらすメリットと今後どのような分野・場面で活用できるようになるかご紹介します。

表1:移動通信システムの世代の変遷
1G 2G 3G 4G(LTE) 5G
開始
時期
1979年 1993年 2001年 2010年 2020年予定
追加された
主な利用用途
音声通話(アナログ) 電子メール インターネット 動画視聴 IoTの活用
通信
速度
- 数kbps 384kbps 100Mbps 10Gbps

「5G」へ進化することのメリット

5Gが正式に運用が開始される2020年頃の利用状況の予測として、IoTなどウェアラブルデバイスの普及、4K動画などの動画の大容量化、娯楽や医療現場で用いる高解像度の画像・映像コンテンツの利用が高まると考えられており、2010年のトラフィック(データ量)から1000倍に増加すると予想されています。※1新しい移動通信システムとなる5Gでは、上記の多量のデータを処理することが求められており、設計段階から性能面で以下の目標性能が掲げられています。

※1:第5世代移動通信システム「5G」とは?
https://5gmf.jp/about-5g/

(1):大容量・高速化
冒頭でも挙げたように2020年には、多量に発生するネットワークデータを処理することが求められています。現行の4G/LTEと比べ、100倍程度のデータ転送速度を目標としており、10Gbps以上の超高速通信を実現しようとしています。

(2):低遅延
大容量の通信を生かしたコンテンツの利用であげられる用途として、映像配信・視聴があります。4G/LTEの頃と比べ、10分の1の遅延で、1ミリ秒以下とほぼ遅延が無いと言える性能に収めることを目標としています。

(3):同時多数接続数
ニュースでもよく話題に上がるIoT機器の活用でも5Gは期待されており、多数のIoT機器などを接続し、利用することが求められています。そのため、現行の4G/LTEと比べ、同時接続数でも100倍以上となる、1平方キロメートル当たり100万台の同時接続数の実現※2を目標としています。

※2:総務省 平成28年 情報通信白書より参照
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h28/html/nc263210.html

このように性能が進化した5Gを用いることで、今まで以上に映像を活用したサービスの実現や、家庭や職場内でのIoT機器を用いたサービスや機能の活用が大きく広がると予想されます。

「5G」活用の今後

今回紹介した5Gは前述した通り、2020年から運用開始の予定であり近い未来に実現するものです。この5Gを活用して、現在は下記のようなビジネスに活用できると考えられており、期待が持たれています。

  • 多数のIoT機器や監視カメラ等の映像機器より、リアルタイムでより詳細な分析の実現
  • 低遅延を生かした、工場や作業現場に設置された工業機械・建機の遠隔操縦の実現
  • 前回紹介したコネクテッドカー※3の運転に用いられる情報収集の性能向上

5Gを活用したシステムの活用イメージ
図1:想定される5Gを活用したシステムの活用イメージ

ビジネス分野以外にも低遅延を生かした、多人数でリアルタイムに行うオンラインゲームへの活用など、仕事以外にも遊び・プライベートの分野にもメリットをもたらすことが期待されています。この5Gを用いることで、今後、仕事・プライベートの両面でどのようなことが行えるか、アイデアを考え、実現させるのも一興かもしれません。

※3:安全運転や運転アシストなんてお手の物! ~コネクテッドカー~
https://www.kobelcosys.co.jp/column/itwords/20180401/

2018年5月

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