2017年10月01日
ポストモダンERP
~次世代へ進化するERP~
背景
企業の業務システムは、会計や生産管理などそれぞれの業務に特化したソフトウェアを組み合わせて利用する形態から、各業務のデータを共有して全体の最適化を目指す「統合型ERP」を導入する方向へと進んできました。しかし、予想以上にビジネス環境は激しく変化し続けており、すべての業務を「統合型ERP」にするとシステムが大きくなりすぎて柔軟かつ迅速な対応が難しい、という課題が出て来ました。
コアになるERP(統合型ERPの中核機能)に、できるだけ早く新機能を追加したいユーザーに対応するため、カスタマイズの必要がないクラウドのSaaS型アプリケーションと組み合わせるニーズが高まっています。
ポストモダンERPとは
ポストモダンERPとは、本来ERPがもつ統合のメリットを保ち、柔軟かつ迅速にビジネスに対応するため、コアERPとSaaS型アプリケーションを疎結合で連携したものです。ポストモダンERPでは、ユーザーの満足度を上げるために、モバイル、使い勝手のよいユーザー・インターフェースやインメモリ技術(※1)による高速なデータ処理が必要な要素になります。
図1.ポストモダンERPの概念図
※1 世界を変える超高速処理の実現へ ~インメモリ技術~(2012年8月のコラム参照)
https://www.kobelcosys.co.jp/column/itwords/262/
ポストモダンERPのメリット
統合型ERPと比較して、ポストモダンERPには次のメリットがあります。
- ERPで全てのことを実現しようとするとアドオン開発も含めてERPが大変複雑になり巨大化します。コアな部分のみERPにすることで、複雑化・巨大化を回避することができるので、運用やバージョンアップのコストを下げることができます。
- SaaS型アプリケーションは、多くのベンダーから提供されており、自社にとって最適なものを選択することができます。また、SaaSは、必要な機能を必要な分だけサービスとして利用できるので、カスタマイズの必要がなく、短期間、低価格で導入できます。
- システム全体の拡張性が高いため、新技術(IoT、RPA(※2)、AI等)の採用のハードルを下げることができます。
https://www.kobelcosys.co.jp/column/itwords/20170601/
ポストモダンERPへの今後の動向
メインの流れとしては、これまでのオンプレミスのコアERPを残しつつ、周辺業務の高度化、最適化を目指して、SaaS型アプリケーションを組み合わせるハイブリッドERP(ポストモダンERPの1つの実現形態)への移行があります。 この流れがさらに進むと、ERP自体のバージョンアップのタイミングでオンプレミスからクラウドに変更するケースが増加していくと考えられます。
今後、クラウド化が進むことにより、柔軟性や迅速性が高まり、新技術(IoT等)の採用による、革新的でユーザー満足度の高いシステムに移行していくと思われます。
2017年10月
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