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毎月更新中!社長通信 社長が気になること、考えさせられたことを綴ります。

2012年01月04日

得手に帆を揚げる

辰年

2012年、新しい年の幕が開きました。年の初めの空気はいつも凛としたものを感じますが、今年は特に身が引き締まる思いです。いろんなことが重なった2011年。東日本大震災・原発事故は余りにも衝撃的でした。震災はすさまじい爪あとを残しましたが、私たちが携わってきたお客様を始め、多くの企業が、いち早い回復を成し遂げています。国難を乗り切るために日本人が互いに協力し合う姿は、世界に日本のパワーを示しました。
 
ヒラリー・クリントン米国務長官は、「(震災以来)輝きを放っているのは日本人が持つResilient(レジリエント)な精神です。これはすべてのアメリカ人の胸を打ちます」と述べておられます。Resilientとは 弾力性のある、不屈の、快活な、溌剌とした、逆行を跳ね返すという意味があります。経済のグローバル化が加速し、予期せぬことが起こる時代に、日本が海外から驚嘆されるほどの復活力をみせたのは、日々培ってきた人々の「現場力」があるからこそです。海外では想像できないといわれるほどに規律を守り、コミュニティのために献身的な努力をしてきた日本の精神。これが、さらに輝きを放ち、これまで以上に「Resilientな精神」で力強くなることが期待されています。
 
この正月に、私の愛読書の一つである本田宗一郎さんの『得手に帆あげて』(三笠書房)を読み返してみました。昭和60年に発刊されたのですが、そこで語られていることは示唆に富み、感激を新たにすると共に、厳しい環境に立ち向かう背中を力強く押してくれます。

本田流の表現を借りれば、来たるべき「地球時代」には、セオリー通りに考えたり行動したりせず、いろんなことへの探究心を持ち、発想を展開する過程で、新しい真理の発見と進歩が生まれる「創造的破壊の発想」が必要だと提言しています。特に、シビアな競争をしなければならない時代には、創意工夫が不可欠です。一人ひとりが自分の能力を最大限に発揮する「得手に帆あげて」の発想が重要でしょう。合理性を基盤とし、真理に忠実で理論を尊重する、さらに、絶えず広い視野から未来へ新しいものを生み出そうとする意欲を持つ若い人達が、それぞれの潜在能力を最大限に発揮するようになったら、これは大きなエネルギーになるはずだというのです。
 
『得手に帆あげて』で本田宗一郎さんは、どんな環境にあっても社員のそれぞれが持っている能力を発揮することの大切さを訴えています。そして、社員それぞれの個性はオーケストラを構成している楽器だと例えています。それぞれが違うからこそ創造性が生まれる。確かに、会社はオーケストラのようなもので、個性を強調しながら、全体としてのハーモニーをどうやって作り出すかが重要な仕事となります。人は誰でも途方もなく大きな可能性を秘めており、それを徹底的に生かす場を作れ、ということだろうと思います。
 
当社においても、経営の基礎は「人財」です。基本理念に『最大の資産は人であり、社員一人ひとりの能力の最大限の発揮こそが会社発展の原動力である』を掲げ、お客様に責任を持てる、コミットできる、目標の達成に向けて自ら最大限努力できる“自律した知的プロフェッショナル人財の育成”を、「一律から個へ」という方針のもと追求しています。競争力の源泉として、本田宗一郎さんが指摘する「個人の能力とそれを束ねる組織能力」がますます強く求められます。
 
「企業」とは、「人を止めて業をなす」と書きます。当社は、ビジネスの数字としての評価だけに偏ることなく、お客様満足度向上への貢献などもきちんと評価していきます。組織に貢献する自らの役割をそれぞれの立場で考えること、マネージメントはどうやって部下の成長を支援できるかに焦点を当てています。コミュニケーション力や調整力、全体を俯瞰する力、ストレスへの耐性など、各自の持ち味を活かし、自律心があり明るく元気な人で溢れる組織、会社にしたいと考えています。
 
まだまだ厳しい環境は続くと思いますが、お客様への感謝の気持ちも新たに、改めて、お客様に貢献することを第一義に考えた活動にこだわりを持って活動したいと思います。得手に帆を挙げ、その帆をいっぱいに広げ、お客様とともに成長を図っていきたいと思います。
 
辰年の今年、私共も昇り龍に乗って、たくさんの幸せの珠を皆さんの元に運んで行けるように努力して参ります。本年もコベルコシステムをよろしくお願いします。

2012年1月

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