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2024年04月01日

今春のセンバツから採用された新基準バット
~テクノロジーの進化とリスキリング~

桜満開,青空

球春到来。今年もセンバツ高校野球から野球シーズンがスタートしました。今大会、一番の大きな変化は何といっても新基準バットの導入です。新基準バットは最大直径がこれまでの67ミリから64ミリ未満まで細くなり、表面の金属は3ミリから4ミリ以上と肉厚になったことで、打球の速度を抑制します。ピッチャー返しなどによるケガを防ごうと、日本高野連が導入を決め、2022年から2年間の移行期間を経て、今センバツから採用されました。
高校球界に金属バットが導入されたのは1974年。折れやすい木製よりも耐久性が高いことから、経費節減と資源保護を目的に解禁されました。これによって長く「打高投低」の時代が続きます。金属バットは反発が強いだけでなく芯も広いため、多少真っ芯を外しても力で打球を運ぶことができます。強豪と言われるチームは筋トレを積極的に取り入れてパワーを付けるようになりました。その後「キーン」という打球音が騒音問題や球審・捕手の難聴の原因に繋がると指摘され、1991年には消音バットも登場しました。
従来よりも木製に近いと言われる今回の新基準バットは、投手にとっての安全性は増しますが、バッティングの技術そのものだけでなく、戦略面や守備側からすれば投球の組み立て、守備位置や打球音に対する反応など、あらゆる変化に対応しなければなりません。高校野球は新たな時代を迎えたと言っても過言ではないでしょう。

経費節減や資源保護などの時代の要請に応えるために、新しいテクノロジーである金属バットが登場してくるという関係は、スポーツの世界に限った話ではありません。近年では、カーボンニュートラルやサスティナビリティ、SDGsといった時代の要請に応えるために様々なデジタル技術が登場しています。そんな新しいテクノロジーをいち早く活用することがこれからの企業の成功には欠かせないものとなっています。
また、テクノロジーの進化や技術革新に対応するために、新しい知識やスキルを学ぶ「リスキリング」が叫ばれています。特にAIやロボットを活用した仕事のデジタル化・自動化に対応するためのリスキリングは世界中で行われており、国や企業の競争力を大きく左右すると言われています。

それほど重要なリスキリングですが、実際には「日常業務が多忙の中、新しいことを勉強する時間が取れない」という声をよく聞きます。まさに「木こりのジレンマ」の状態です。
「木こりのジレンマ」というのは、木こりが刃こぼれしている斧を使って、忙しそうに木を切っているが、効率良く木を切ることができていない。それを見た人が斧を研ぐことを勧めても、木こりは「そんなことは分かっていますが、木を切るのに忙しくて、斧を研ぐ時間がないんですよ」と答える話。
「斧」を研ぐ方が最終的には効率よく木を切ることができるのですが、目の前の仕事に没頭してしまい、気づかないうちにいつの間にか状況が悪化してしまう。そういうことは通常のビジネスでも起こりえます。好むと好まざるとにかかわらず、テクノロジーの進化に対してもしっかり追随しなければ、企業も個人もあっという間に取り残されてしまうのです。

当社でも社員全員がリスキリングの重要性に気づいて取り組むべきなのですが、古いやり方や技術に固執して見直そうとしない人や、新しい道具を手に入れても「使い方が分からない」と触ろうともしない人が一定数存在します。特に今までのやり方に対して自負があり実績を上げている人ほどその傾向が強いように感じます。
そのような方々にも一旦立ち止まってもらい、自分の「斧」すなわちスキルを磨いてもらう必要があります。故に、ある程度強制的に企業が‘新しい学び’の時間を設けて、新しいテクノロジーに関するスキル・知識を習得したり、上手な使い方の事例を学んだりする機会を提供して、意識改革のきっかけをもってもらうことが重要だと考えています。
幸い当社も含め日本企業が広く採用してきた職能給制度においては、職務が変更になっても賃金は変わらないため、AIなどのテクノロジーの活用によって業務内容が変わっても賃金が下がる心配はありません。だからこそ、意識改革のきっかけさえあれば、積極的に新たなスキルの獲得に取り組み、リスキリングやアップスキリングを活性化できるはずではないかと考えています。

社会が抱えている多くの複雑な課題を解決するために、今後も新しいテクノロジーの必要性は高まり続けるでしょう。テクノロジーを深く理解し、正しく活用できる人材を社会全体で育成していくことが、サスティナブルな社会を目指す上で急務だと思っています。

:打者がよく打ち、投手陣が苦戦する状態

2024年4月

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